ジュリーニ&LAPO ブラームス交響曲第1番ハ短調



九月最後の週末土曜日。季節もよくなり、万事に心地よい時期になった。きょうは終日あれこれ外出。夜半前にひと息ついて、さて先日来の続きで気になっていたこの盤を取り出した。


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カルロ・マリア・ジュリーニ(1914-2005)とロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団(LAPO)によるブラームスの交響曲第1番ハ短調。1981年11月のデジタル録音。手持ちの盤は当時の独プレス輸入盤LP。この盤も例によって出張先の大阪で買い求めたはずだ。ほとんど針を通した形跡はなく、針圧4グラムのオルトフォンSPUの針を下すとフレッシュな音が飛びだしてきた。

ジュリーニは1978から1984年の間、LAPOの音楽監督を務めた。先回続けて記事にしたシカゴ響と密接な関係にあった時期とも重なる。つまりはジュリーニがドイツグラモフォンの看板指揮者の一人として大いにもてはやされた時期ということになる。当時、イタリア出身のジュリーニがLAPOのシェフになったと聞いたときは少々意外な感じがしたことを覚えている。シカゴ響と違って、西海岸のLAPOはいかにもアメリカ的なイメージが先入観としてあり、それとジュリーニのイメージが結びつかなかったからだ。そんな当時の記憶を呼び起こしながらこの盤を聴くと、なるほど、まるでLAPOの看板が欧州のオケに書き換わったような響きで驚いた。

第1楽章の冒頭から悠揚迫らずという表現がぴたりのテンポと響きで開始。そのテンポは主部に入ってもまったく変わらず、いやむしろさらに遅くなったのではないかと感じるほどの速度設定で進む。当初LAPOの響きがそのテンポについて行けず、いささか緊張感を維持できないうような箇所もあるが、次第にこちらの耳が慣れてきたこともあって違和感なく、その大河のような流れの響きに身を任せられるようになる。第2、3楽章はジュリーニの美点がもっともよく発揮されて実に味わい深い。終楽章も一つ一つのフレーズを丁寧かつ克明に描き出す。例のアルペンホルン風のフレーズ、それに続くトロボーンのコラール、そしてハ長調のテーマと、いずれも深い呼吸でありながらやや控えめの抑揚で中々渋いところを見せてくれる。終盤、勢い余ってオケを煽りたくなるようなフレーズもグッとこらえ、最後の最後までスケール大きさを失わず大団円を迎える。第1楽章提示部を繰り返していることを考慮しても、演奏時間53分超えは長さばかりでなく、この演奏のスケール感をも表している。


この盤の音源。


ウィーンフィルと1991年の録音。ジュリーニとウィーンフィルは1989~91年にブラームスの交響曲を全曲録音している。ウィーンフィルの音はさすがにLPOの一枚上をいく。


以下のURLで本盤録音と同時期と思われるLAPOとのライヴ演奏で指揮姿が見られるが、音質が悪く残念。
https://youtu.be/wYPusUWtOKE


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