バッハ カンタータBWV130<主なる神よ、われらみな汝を讃えん>
十月スタート…といえば、そうだ今夜からこれがスタート! しっかり録画予約をしたところで…さて、あたらめて。
十月といえば、昔なら学生の制服やサラリーマンの服装も一斉に変わる時期。会計年度も下期に。万事に季節感が乏しくなったが、合理性視点からの要不要はともかく、こういう区切りを<時節>として楽しむべきかと思いますね。 さて、先日の日曜日9月29日は教会暦で、悪魔と戦い勝利した<大天使ミカエルの祝日>ということになっている。そういえば確か…とこの盤を取り出した。


一昨年手に入れたアンセルメのボックスセット。その中の<欧州編>にバッハの作品がいくつか収録されていて、<大天使ミカエルの祝日>のためにバッハが作ったカンタータの一つBWV130があったのと思い出した。アンセルメとスイスロマンドによるバッハのカンタータは数曲が残されているようだが、このセットにはBWV67とBWV130が入っている。BWV130はトランペット3本、オーボエ3本、ティンパニを要し、以下の5曲からなる。悪魔と戦い勝利したミカエルと天使らを讃える祝祭的な雰囲気に満ちている。
第1曲:コラール
第2曲:アルトのレチタティーヴォ
第3曲:バスのアリア
第4曲:ソプラノとテノールのレチタティーヴォ
第5曲:テノールのアリア
第6曲:コラール
第1曲から活気と喜びに満ちた響き。合唱のソプラノパートがテキストを高らかに歌い、その後ろでは他のパートがメリスマで支え、それにトランペットとティンパニが加わって気分を盛り上げる。第2曲アルトのレチタティーヴォのあと、この曲のメインともいうべき第3曲のバスのアリアが続く。終始トランペットの華やかで技巧的なパッセージが続き、それと呼応してバスも力強く、果敢に戦いに挑む様を歌う。第4曲では一転してソプラノとテノールにより、内省的な短調による短くも美しいレシタティーヴォが歌われ、戦いの終わりが示される。続く第5曲は印象的なフルートを伴ったテノールのアリア。ガヴォット風のリズムにのって明るく穏やかに天使を讃えるテキストが歌われる。終曲は壮麗なコラール。トランペットとティンパニが合唱の後押しをするように高らかに響き、天使を讃える。15分余の比較的小規模な曲だが、全編を通じて典礼的・祝祭的な明るい曲調。日本人気質かどうかわからないが、バッハというと深遠さを追い求めがちだが、こうした曲調ももちろんバッハの一面だろう。
アンセルメのバッハカンタータというと少々意外な感じもするが、以前も書いたようにアンセルメ=近代ロシア・フランス物という構図は、甚だ作られたイメージだ。バッハは至極真当。1968年の録音だが、重苦しく引きずるような19世紀的解釈は皆無。各パートともすっきりと分離し、透明な響きが確保され、解釈共々古さを感じさせない。
この盤の音源で第1曲のコラール<主なる神よ、われらみな汝を讃えん>
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮コレギウム・ヴォカーレ・ゲントによる全曲。
例によって「動画を再生できません」と出るが、下線付きの「YouTubeで見る」をクリックすると再生可能。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■

にほんブログ村
- 関連記事
-
- キャスリン・バトル&クリストファー・パークニング (2019/12/29)
- バッハ:カンタータ「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」BWV61 (2019/12/03)
- バッハ カンタータBWV130<主なる神よ、われらみな汝を讃えん> (2019/10/04)
- モーツァルト<レクイエム> (2019/09/14)
- モーツァルト ミサ曲ハ短調 (2019/09/12)