安定ベームのブラームス



11月に入って一気に季節が進む。朝晩も冷え込むようになった。少々気が早いが、年末に向けてひっ迫気味の仕事を気にしつつ、本日も業務に精励。8時を少し回って帰宅した。暖がほしくなる部屋で音盤タイム。今夜もブラームスだ。


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50年代までは中欧のローカルレーベルに近かったドイツグラモフォンは、カラヤンの存在により60年代以降、一気にクラシックの国際的メジャーレーベルになり、以降は黄色い帯の統一されたジャケットと共にクラシック音楽の代名詞のような存在となった。実際、カラヤン、ベーム、バーンスタインを抱え、ベルリンフィルとウィーンフィルを駆使して盛んに新録音を送り出した。写真のLP盤セットはまさにその頃の象徴のような盤だ。上段はブラームスの交響曲全集、下段はべートーヴェン。それぞれベーム、バーンスタイン、カラヤンが振っている(右上のカラヤンのブラームスが60年代録音。それ以外はすべて70年代から80年代初頭の録音)。カートンボックス入りの豪華な全集盤は当時中々手が出ず、後年CD期になりLP放出が盛んになって以降、中古レコード店で投売りされているのを買い集めた。今夜はそんなことも思い出しつつ、ベーム&ウィーンフィルのブラームス第3交響曲の盤を取り出すことにした。渋い曲想が秋に相応しい名曲だ。LPにするかCDにするか迷ったが、きょうは例のベームのボックスセット(モーツァルト・ベートーヴェン・シューベルト・ブラームスそれぞれの交響曲全曲を収録)からCDを取り出し、プレイボタンを押した。

やや遅めながら終始インテンポ。どこかのパートを浮き彫りにするようなバランスは決してとらない。フレーズの輪郭や音一つ一つにくっきりとエッジが立ち、ややゴツゴツした肌触り。総じて実に端整で真面目な演奏だ。 当時すでにベームは全盛期を過ぎていて、このブラームス録音も往時を知る人達の評判は決して賞賛ばかりではなかった。第1番は50年代のベルリンフィルとの盤に比べ、ぬる湯に浸かっているような演奏とさえいわれた。しかし、この3番は曲想からしてエネルギッシュばかりが求められるわけでもない。少し物足らないくらいの静けさや端整な造形がむしろ似合うようにも思う。ウィーンフィルは終始美しく、やや明るめの音色でベームの端整な解釈を支える。ムジークフェラインでの録音は幾分オンマイクで、カラヤンとベルリンフィルのイエスキリスト教会録音とは対照的。低音がすっきりとしていて、各パートの分離や解像度も良好だ。時々突き抜けるように響くウィンナホルンも印象的。個性的な名演があふれるブラームスの交響曲の中でも、長く繰り返し聴き続けられる安定・鉄板の演奏として愛聴したい。


この盤の音源。第3番全曲。
第1楽章の聴きどころ終盤8分40秒過ぎから。多くの演奏にあるような加速はせず、インテンポで貫くがゆえのスケール感が素晴らしい。第2楽章の19分過ぎの回顧調フレーズは涙物だ。有名な第3楽章は何度聴いても胸を締め付けられる。終楽章はブラームス節全開。三連符と付点音型が交錯する。31分50秒から始める緊張MAXのフレーズ、32分過ぎから32分30秒過ぎまではベートーヴェン運命交響曲のテーマを思わせる三連符音形で緊張を高める。その後付点音符音形が続き、33分10秒からは低弦群のピチカートにのってホルンが三連符を伴なったメロディーを歌う。そして最後は秋の夕暮れのように曲を閉じる。


日本人を母にもつアラン・ギルバート(1967-)とニューヨークフィルによる演奏。アラン・ギルバートは2009年から2017年の間、同団の音楽監督を務めた。日本にも度々客演し、当地群馬交響楽団も振っている。この演奏、アメリカのオケかと疑うほど落ち着いた曲の運びと音色だ。



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