F・ソル アンダンテ・ラルゴ



先日聴いたセゴビアの盤に収録されている曲のうち、気になった曲があって少しさらってみた。


201911_Sor_Andante_Largo.jpg

F・ソルが書いた教則本に出ているギターの支持姿勢。
201911_Sor_form.jpg


ギター弾きにはお馴染みのフェルナンド・ソル(1778-1839)。彼が故郷スペインを離れてパリに出た頃に書かれた曲の一つに作品5-5「アンダンテ・ラルゴ」というニ長調の小品がある。中上級クラスのギター弾きなら必ず弾いたことのある曲だ。

この曲は、曲の規模こそ5分ほどの小品ではあるが、ソルの作品の中でももっとも美しいものの一つだ。6弦ギターが持つ最も魅力的な響きが得られる音域の第1弦5から10フレットにメロディーラインをのせ、2弦の三度で下支えする。6弦のE線をDに下げる調弦で、音域を拡大すると同時にニ長調の安定した響きと、ポリフォニックに書かれた低音声部をしっかりとキープしている。中声部による多彩な和声展開は、ウィーン古典派の大家が書いたカルテットやピアノソナタの緩徐楽章に肩を並べるだろう。おそらく、ギターの楽譜の各声部をばらして、カルテットに仕立てても十分美しく聴き映えがするに違いない。

クラシックギター弾きの中には、クラシック音楽そのものとギター音楽が別の世界のものと思っている輩も少なからずいる。偉そうな言い方に聞こえそうだが、こういう曲を通して自分が弾いているソルやジュリアーニが19世紀初頭のウィーンやパリの香りを伝えるものであって、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンそしてシューベルトと続く系譜の中にあるという時代感覚と様式感を意識し、そこから古典派や以降のロマン派の音楽にも親しんでほしいものだと思う。


Boijeコレクションのアーカイブ。この5曲目。
http://boijefiles.musikverket.se/Boije_0460.pdf


詳細な運指を付したEdison_Lopes版
http://conquest.imslp.info/files/imglnks/usimg/d/d6/IMSLP247967-PMLP402029-Andante_Largo,_Op._5,_No._5_(Sor,_Fernando).pdf



当時の楽器とガット弦を使い、さらにソルが書いた教則本にならって、テーブルでギターの胴を支える姿勢で弾いている。


19世紀中庸に英国で流行したコンサティーナによる演奏。 ギター弾きでギター作品も残したレゴンディ(1822-1872)は人生の後半をコンサティーナ奏者としても活躍した。ソルはそのレゴンディに作品を献上している。



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