L・バークリー 「ソナティナ」



今年最後の週末金曜日。そして仕事納め。職場事務所フロアでの簡単な納会もパスして帰宅。それにしても年の瀬感皆無。若い世代はゆく年くる年、それなりに思い至すのだろうなあ…と、そんなことを考えながら、変わらぬ夜ごとの音盤ルーティン。今夜はこんな盤を取り出した。


201912_Julian_Bream.jpg


数年前に手に入れたブリームのオリジナルジャケットによるボックス選集。その1枚目<The Art of Jurian Bream>を取り出した。原盤はRCAリビングステレオ盤。ブリームの米国デヴュー盤にあたるそうだ。収録曲は以下の通り。

・フレスコバルディ:アリアと変奏
・アルベニス:ソナタ ニ長調
・D.スカルラッティ:ソナタ ホ短調K.11
・D.スカルラッティ:ソナタ ホ短調K.87
・チマローザ:ソナタ 嬰ハ短調
・チマローザ:ソナタ イ長調
・レノックス・バークリー:ソナチネop.52-1
・ロドリーゴ:小麦畑で
・ラヴェル:亡き王女へのパヴァーヌ
・ルーセル:セゴヴィア Op.29

今夜のお目当ては、レノックス・バークリー(英1903~1989)のギター作品「ソナティナ」作品52。この曲を初めて聴いたのは学生時代の70年代半ば。出だしのフレーズが印象的で楽譜も手に入れた。その出だしだけは弾けるようになったが、そこから先へは進めず。当然ながらそのまま現在に至っている。久々に聴くブリームによる演奏。ブリームとしては初期の録音に属する。60年代になるかならないかという時代を考慮すると、すこぶるモダンでいい演奏だと思う。セゴビア、イエペス、何人かのスペイン系奏者が主流だった時代にあって、ブリームの演奏は新鮮で、ギターの美点を生かしながらも音楽としての普遍性を訴えていて、その後現在まで続くモダンクラシックギターにおける一つの潮流の原点といっていいだろう。

バークリーのソナティナはその名の通り、そう大きくはないが三楽章形式の古典的なフォーマットに近代的な和声感性を閉じ込めた佳曲。特に第1楽章の闊達な曲想、第2楽章Lentの静かな抒情が美しい。今も人気の曲のようで、しばしばコンサートでも取り上げられ、少し前にNAXOSからリリースされた朴葵姫(パク・キュヒ)のアルバムにも入っている。久々に楽譜を取り出して弾いてみようか。


この盤の音源。バークリーのソナティナ第1楽章。


タル・フルヴィッツという奏者。寡聞にして不案内。ナクソスからアルバムを出しているようだ。レコーディングセッションでの演奏とのこと。



楽譜付き音源。演奏はローラ・スノーデンによるもの。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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