M・ジュリアーニ ロッシニアーナ第2番
週末土曜日。野暮用いくつかこなし日が暮れる。
相変わらずNo.2オシの音盤タイム。今夜はギター。こんな盤を取り出した。


マウロ・ジュリアーニのロッシニアーナ第2番。フレデリック・ジガンテ(1961-)のギター独奏で、ロッシニアーナ第1番から第6番までの全曲と変奏曲4つが2枚組CDに収録されている。1992年録音。海外廉価盤レーベルARTSの盤。
ジュリアーニ(1781-1829)はギター弾きにはお馴染みかつ習得必須曲を多々残しているイタリア生まれの作曲家。元々はヴァイオリンやチェロを学び、その後ギターも習得。19世紀初頭のウィーンで作曲家兼ギタリストとして大そう人気を博し、その華麗な技巧を駆使して、古典様式の曲を多く残した。ベートーヴェン、フンメル、ロッシーニらとも交流を持ち、ベートーヴェンの第7交響曲初演時のオケにチェリストとして入っていたという。 6曲残されている「ロッシニアーナ」は、その名の通り、当時人気絶頂だったロッシーニのオペラから題材を取ったポプリ。元のアリアの魅力というよりは、それを使った技巧的なパラフレーズが聴きどころだ。ジガンテは実に真面目が過ぎるくらいにこの曲に取り組み、正統的な古典様式で整った演奏を聴かせてくれる。
クラシックギターを中級程度まで進んだ方にはよく分かるだろうが、特徴的なアルペジオの音形や高速のオクターブ跳躍で進む音階など、ジュリアーニの楽譜は見ただけで彼の作と分かる。パターン化された指使いが多いのだが、運動能力との相性で得意不得意が出る作品が多い。古典ギター黄金期の双頭ともいうべきもう一人、フェルナンド・ソル(1778-1839)のような意味深長さや多彩な和声感はあまりないが、古典様式に忠実な和声感と華麗な技巧を駆使した曲は、やはりギター弾きにとっては一度は弾いてみたい作品の一つだ。 ハイドンからモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトと続いたウィーン古典派と、その流れの中に根付いていた19世紀古典ギター黄金期の響きを楽しみ、古典的様式感に親しむには格好の題材だろう。
ジュリアーニ作品の楽譜を以下で閲覧可能。ロッシニアーナはOp.119~124。
http://maurogiuliani.free.fr/en/integral.php
この盤の音源。名手ジガンテによる第2番。派手に技巧を披露できる曲だが、力づくになっていないところがいい。ライナーノーツには記されていないが、音色からして19世紀ギターが使われているようだ。
良くも悪くもモダンギターによる演奏の典型。
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