ブラームス ピアノ協奏曲第2番



週明け月曜日。令和二年にちなんで年頭から始めた2番オシ音盤ルーティン。今夜はこんな盤を取り出した。


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ダニエル・バレンボイム(1942-)がジョン・バルビローリ(1899-1970)と組んたブラームスのピアノ協奏曲第2番変ロ長調。1967年録音。オケはニュー・フィルハーモニア管弦楽団。手持ちの盤は、1969年9月にリリースされたときの国内初出LP。十数年前にひと山ナンボで箱買いしたLP数百枚の中に混じっていた。あまり詳しくは書けないのだが、何でもその頃、国内某倉庫から大量のLPデッドストックを入手した輩がいて、その方からクラシックなら何でもOKという無差別攻撃の条件で格安で分けてもらった。ほとんど未開封。今夜はこのうち第2番変ロ長調に針を下ろした。半世紀の眠りから突然呼び起こされたにもかかわらず、状態のいい盤面からはノイズレスの音が飛び出してきた。

録音時期をみて察しがつくように、バルビローリの現在まで残る名演の中でも評価の高い一連の録音を残した充実の時。ウィーンフィルと同じEMIに入れたブラームスの交響曲全曲もこの時期だ。そこから想像できるように、このブラームスも濃厚なロマンティシズムに満ちたバルビローリ節が全開だ。

冒頭からゆったりとしたテンポで開始。ホルンのフレーズを受けて、バレンボイムがごくわずかだが早いタイミングで出てきて思わず苦笑してしまった。当時70歳を前にしたバルビローリの深い呼吸に、まだ弱冠27歳のバレンボイムの勇み足というところだろう。スケルツォ楽章をもち50分を超える4楽章構成、重厚かつ雄弁なオケパートといったことから、ピアノ独奏付き交響曲と称されるこの曲。ピアノパートは何気なく聴いていると派手な技巧を披露する感じはないのだが、なんでも数あるピアノ協奏曲の中でももっとも難しい曲の一つだそうだ。バレンボイムはブラームスということと、やはりバルビローリのリードがあってか、中々自在な弾きぶりで、現在まで続く彼らしいやや濃い口かつ重厚な音楽を繰り広げていく。当時勢いよく世に出てきた若者バレンボイムと、濃厚なロマンティシズムで晩年を彩ったバルビローリとの邂逅の記録だ。


この盤の音源。


チェリビダッケ&ミュンヘンフィルとのライヴ。1991年の演奏と思われる。バレンボイムも50代。堂々たる風格。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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