壽 初春大歌舞伎



先日、久しぶりに歌舞伎座へ。公演中の「壽 初春大歌舞伎」昼の部を楽しんできた。


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演目は以下の通り。新春らしくバラエティーに富んだもの。
「醍醐の花見」
「奥州安達原(袖萩祭文)」
「素襖落」
「河内山」

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思い出してみると歌舞伎に興味をもったのは高校時代だった。クラシック音楽を聴き始めたのと同時期。土曜の午後や日曜の晩など、NHKでやっていた歌舞伎中継を当時まだ白黒だったテレビで食い入るように観たものだ。実際の舞台に初めて触れたのは1982年に今の新橋演舞場が落成したときの杮落とし公演だった。職場の先輩に芝居好きがいてチケットを取ってくれた。記憶が正しければ、凛々しい若手だった片岡孝男(現仁左衛門)の「石切梶原」、人気絶頂期の玉三郎「道成寺」、菊五郎他の「白浪五人男」などを観て、大そう感激しものだ。その後、二十代は特によく出かけ、一番安い席に陣取って幕間にハンバーガーを頬張って半日過ごした。当時はコンサートホールより、歌舞伎座や国立へ通った回数の方が多かった。

幕間にはどん帳のお披露目
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歌舞伎への興味も最初は耳から入ったように思う。長唄連中の華やかな音、御簾の中から聴こえてくる下座の音楽や効果音、ジャパニーズシャウトの義太夫、見得に合わせて響く附け打ち…。多彩な舞台や衣装と併せて、これほど豊かなエンターテイメントが三百年以上に渡って歴史を刻んでいることは本当に素晴らしい。今回も前半の演目では中村芝翫、勘九郎、七之助等、人気役者の様子のよさにうっとりし、松羽目物の素襖落では吉右衛門の軽妙さを楽しみ、河内山では白鴎のいかにもな宗俊に納得し、そして八挺八枚の長唄連中の華やかなBGMに聴き惚れ…と、目と耳から楽しんだ。客席を見渡せば、正月ということもあってか着物姿の女性もいつもより多く、華やかな風情。穏やかで心和む新春の一日だった。


吉右衛門による「河内山」 吉右衛門だと中々悪党には見えない(^^;
最後の見どころは1時間13分過ぎからの「松江邸玄関先の場」



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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