ハチャトゥリアン チェロ協奏曲



夜ごとの音盤ルーティン。先日聴いたハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲で思い出し、今夜は同じハチャトゥリアンの書いた協奏曲として名高い、この曲を取り出した。


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アラム・ハチャトゥリアン作曲のチェロ協奏曲ニ長調。手持ちの盤は十年程前に出たタワーレコードの企画盤。クリスチャン・ワレフスカ(1940-)が70年代にデッカに録音した盤の復刻セット中の1枚。1973年録音。プロコフィエフの協奏曲とカップリング。若き日のエリアフ・インバルがモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団(モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団)を振って伴奏を付けている。

この曲、あまり演奏されることがない曲だが、名人チェリストの多くが録音を残している。曲はハチャトゥリアンのドンパチやるイメージからは遠く、オケは終始内省的。一方のチェロも大見得を切るような派手さよりは、細かな技巧や旋律的な抒情性に耳がいく。第1楽章などは無窮動のごとく忙しく弾き回る。2楽章は神秘的で印象的な開始。映画のバックに流れていても不思議はないような曲想だ。第3楽章はこの曲の中ではもっとも民族色が強い。
ワレフスカは録音当時の70年代前半、ほぼ同世代のデュプレ、グートマン、ハレルなどと並んで最有望株だったそうだ。この復刻盤で分かるように、主要な協奏曲を短期間に録音していることが何よりの証拠だ。2010年そしてその後の何度かの来日で聴けた豪腕で線の太い個性はまだ色濃くは出ておらず、この曲の抒情性と細かな技巧的パッセージも鮮やかに弾ききっている。


この盤の音源。全3楽章。


1998年チャイコフスキーコンクールの覇者:デニス・シャポヴァロフのソロ。2003年。お馴染みのモスクワ音楽院ホール。バックは近々当地に来演予定のフェドセーエフ指揮チャイコフスキー交響楽団(旧モスクワ放送交響楽団)。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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