玉三郎の「羽衣」



先月に続けて歌舞伎座へ。

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玉三郎が夜の部で「羽衣」を踊るということは、先月の公演の際に知っていたが、さほど気にも留めていなかった。しかし、よくよく考えてみると玉三郎もこの4月には古希を迎える。華のあるうちに観られるだけ見ておこうかと思い立ち、急遽チケットを手に入れた。

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今月の歌舞伎座は、先代の仁左衛門二十七回忌追善公演とのことで、我當・秀太朗・現仁左衛門兄弟他、松嶋屋の面々が出演。加えてかつて「孝玉コンビ」で一世風靡した玉三郎も出演と相成った。夜の部演目は以下の通り。

「八陣守護城」片岡我當、片岡進之介、中村魁春
「羽衣」坂東玉三郎、中村勘九郎
「情噺文七元結」尾上菊五郎、中村雀右衛門
「道行故郷の初雪(梅川忠兵衛)」片岡秀太郎、中村梅玉

玉三郎は今なお人気筆頭の役者だろうが、かつて80年代前半頃の人気はさらに凄かった。片岡孝夫(現仁左衛門)との「孝玉コンビ」も若手花形の絶頂だった。ぼくは幸いその頃に何度か舞台に接していて、当時の美しさは今もリアルに思い出せるほどだ。今回の羽衣は中村勘九郎が相手。こちらは当代若手の人気役者。開始からしばらく漁師伯竜を演じる勘九郎の所作が続き、その姿に目を奪われていると、花道から静かに進み入る玉三郎の声で、観客が一斉に花道に目を向ける。さすがに人間国宝。往時の美しさをまったく失っていない。頬のあたりが幾分かふっくらしかもしれないが、八頭身の様子の良さは昔のまま。声の調子も変わらない。不断の努力の結果だろう。古希を前に…などど思った自分を恥じた次第だ。


玉三郎の羽衣。十年程の舞台。相手はラブリン片岡愛之助。1分30秒過ぎから。
五挺五枚の長唄連中と波音を表わす下座の大太鼓にのって愛之助の所作。6分過ぎに天女玉三郎登場。その衣がないと天に帰れない、返してほしいと懇願する。返してもいいが、その代わりに舞を見せてほしい…。20分過ぎに衣を受け取り天女はいったん下手へ.。23分過ぎに羽衣をまとって登場し舞を舞い、そして天へと帰っていく。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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