フォーレ組曲「ペレアスとメリザンド」



暖冬だった今年の冬も終わり、関東ではあと十日か二週間ほどで桜も開花の見込み。朝晩はまだ冷え込み、実感は薄いが、春爛漫ももうすぐだ。 さて、現下の状況もあって週末も在宅。明日からまた仕事という日曜の晩。春の宵に相応しいかと、こんな盤を取り出した。


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ガブリエル・フォーレの管弦楽曲集。70年代終わりに東芝EMIから廉価盤でリリースされた<フランス音楽のエスプリ・シリーズ>中の一枚。セルジュ・ボド指揮パリ管弦楽団による演奏。1969年録音。収録曲は以下の通り。

 組曲「ペレアスとメリザンド」op.80
 組曲「ドリー」op.56
 組曲「マスクとベルガマスク」op.112

選曲、指揮者、オーケストラ、そしてミュシャの絵画によるジャケット。いかにも<おフランス>な一枚。ぼくはフランス音楽にはまったく疎いのだが、このシリーズはCD時代になっても人気があり、廃盤になったあと再発が望まれていたシリーズとのこと。EMIレーベルが無くなりワーナー傘下になってから同じジャケットデザインで2014年に再発され、現在も入手可能のようだ。

さきほどから組曲「ペレアスとメリザンド」を控えめな音量で鳴らしている。
お馴染みのメロディーが穏やかに流れて、やはり春の宵にはピッタリだ。突出して有名な第3曲<シシリエンヌ>だけ聴くのではいかにももったいない。ぼくはフォーレの作品には不案内だが、この盤の曲や有名なレクイエムのようなポピュラリティが強い曲、あるいは多くの室内楽にみられる渋い味わいの曲想のものと、中々一筋縄ではいかない作曲家という印象がある。手始めにこの盤に収録されている組曲など聴き、それからより深いエスプリの森に入り込んでいくというのが常道かと思う。
セルジュ・ボド(1928-)は創立まもないパリ管をミュンシュと共に支え、大阪万博のときはその前年に亡くなったミュンシュに代わってパリ管を引き連れて来日した。この盤はちょうどその頃の録音。その後も度々来日して日本のオケを振っているので、仏系指揮者の中ではお馴染みの名前だが、このところ久しく名前を聞いていない。この盤では淡いベールに包まれたような雰囲気のある、この曲に相応しい演奏を聴かせてくれる。


組曲「ペレアスとメリザンド」 マレク・ヤノフスキ―指揮hr交響楽団(フランクフルト放響)。有名なシシリエンヌは8分55秒から。


セルジュ・ボドとパリ管による組曲「ドリー」の音源。もともとはピアノ連弾用。のちにアンリ・ラボーによって管弦楽用に編曲されたもの。以下の6曲からなる。
第1曲 子守歌/第2曲 ミ・ア・ウ/第3曲 ドリーの庭
第4曲 キティー・ヴァルス/第5曲 優しさ/第6曲 スペインの踊り



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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