メンデルスゾーン弦四第一



週末土曜日。野暮用でちょいと出かけ、夕刻帰宅。夜半近く、ひと息ついて静かな春の宵。音盤棚を見回し、しばらく聴いてない盤ばかりだなあと思いつつ、ふと目が合ったこんな盤を取り出した。


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メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第1番変ホ長調作品12。十年程前に買い求めたブリリアントレーベルの激安ボックスセット中の1枚。メンデルスゾーンの室内楽作品がCD10枚に収められている。第1番はシャロン弦楽四重奏団による2002年の録音とある。

幼年期の習作もあるので詳しいことは不案内で恐縮だが、番号付きとしては、この作品12を第1番を称されているようだ。英雄の調性といわれる変ホ長調だが、弦楽器だけならそういうキャラクタもないだろう。事実第1楽章はすこぶる穏やかで、甘美な旋律に満ちている。第2楽章は、近代クラシックギターの祖とでもいうべきフランシスコ・タレガ(1852-1909)によるギター編曲でもよく知られたカンツォネッタ。弾むようなリズムが特徴的で、ギター弾きならずとも一度聴いたら忘れないだろう。第3楽章は4分ほどの短い楽章だが極めて美しいアンダンテ・エスプレシーヴォ。終楽章は一転、ハ短調の悲劇性を帯びたフレーズで始まる。しかも悲哀調というよりは厳しさを帯びた、闘争的な意志さえ感じる。終盤でようやく変ホ長調に戻り、穏やかさを取り戻して曲を閉じる。

メンデルスゾーンの真骨頂は室内楽とも言われる。カルテットのみならず、有名なピアノ三重奏ほか、メンデルスゾーンの室内楽は聴き逃せない曲ばかりだ。


全4楽章楽譜付きで。画面を前にギターを抱え、初見練習かねて一緒に楽しむのにはいい題材。第2楽章のカンツォネッタは7分48秒から。


セゴビアの弾く第2楽章カンツォネッタ。


オリジナルの弦楽四重奏によるカンツォネッタ。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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