ドビュッシー:小組曲



週明け月曜日。先週の緊急事態宣言を受け、ぼくの職場でも従来の希望制から全員が対象の在宅と出勤のシフト勤務となった。きょうは五日ぶりの出勤日。以前と様変わりの閑散とした通勤道中。職場フロアもシフト勤務で人数半減。東日本大震災のあとの計画停電のときに経験した閑散としたオフィスを思い出した。職場でないと処理できない仕事も多く、いつも以上に業務に精励。8時過ぎに帰宅した。明日はまた在宅勤務という晩。緊張高まる世情を思いつつも、いつもの音盤ルーチン。今夜はこんな盤を取り出した。


202004_Ansermet_CD4.jpg


エルネスト・アンセルメとスイスロマンド管弦楽団(OSR)によるフランス音楽集の4枚目を取り出した。収録曲は以下の通り。


・ドビュッシー:バレエ音楽「おもちゃ箱」(カプレ編)
・ドビュッシー:小組曲(ビュッセル編)
・ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
・ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
・ラヴェル:道化師の朝の歌

このディスクの聴きものはラヴェルだろうが、その前に今夜はドビュッシー(1862-1918)の小組曲を選んでプレイボタンを押した。小組曲は、小舟にてEn Bateau/行列Cortège/メヌエットMenuet/バレエBalletの4つの曲からなり、演奏時間も15分とかからない文字通りの小組曲だ。元々はピアノ四手連弾用に書かれた、ドビュッシーがまだ二十代の頃の作品。その後、ドビュッシーの友人だったアンリ・ビュッセルが管弦楽用に編曲した。

この曲にはちょっと思い出がある。まだ二十歳になったばかりの学生時代。所属していたマンドリンアンサンブルでこの曲を演奏した。高校時代から同窓だった一年上の旧友Y氏が編曲した。当時70年代半ばは全国津々浦々の大学・短大にマンドリンアンサンブルのサークルがあっていずれも大所帯の隆盛期だった。ぼくのいた大学でも少なくても70名以上いたと記憶している。20世紀初頭のイタリア・マンドリンオリジナル曲を中心に、クラシックの編曲物や委嘱作品を含む邦人現代作品などを取り上げ、そしてポピュラー物は一切やらずと、いま振り返っても青臭いほどに志は高かった。この小組曲は(そして六つの古代エピグラフも)、そんな取り組みの中から旧友Y氏のフランス好みもあって演奏曲目となった。

小組曲はドビュッシー作品の中でももっともポピュラリティーが強い曲の一つだろう。形式は簡素で、メロディーや和声も平易。のちの彼の作品からは想像できないほど甘口といってよい。それでも各所に印象派と称されるに相応しいたゆたうような雰囲気があって、安直なサロン音楽にはなっていない。アンセルメとOSRの演奏は、そのただよう雰囲気にはジャストミートの響きで、軽みのある弦楽群と魅力的な管楽群とが上質な音楽を奏でてくれる。いくつか聴いたドイツ物とは音の作り方がまるで違い、オケは決して大声を上げず、響きの純度を大切にしているのがよく分かる。小舟にてで聴かせる控えめな歌いっぷり、メヌエットやバレエでの思わずステップを踏みたくなる軽快なリズム処理など、このコンビの真骨頂だ。


この盤の音源。


日本IBM社員からなる日本IBM管弦楽団による演奏。


オリジナルのピアノ四手連弾。ラン・ランとエッシェンバッハ。コンチェルトのあとのアンコールだろう。「小舟にて」と「バレエ」



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