アルヘンタの「幻想」



#STAYHOMEの日々。ぼくのような基本インドア志向の人間にとっては別段変化なし。とはいえ日々の音盤ルーチンで少々変化を持たせようかと、今夜はこんな盤を取り出した。


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アタウルフォ・アルヘンタ指揮パリ音楽院管弦楽団によるベルリオーズ「幻想交響曲」。1957年デッカ録音。手持ちの盤はオールドファンには懐かしい70年代中庸に出ていた廉価盤の一枚。記憶があいまいだが、近所のリサイクルショップのジャンク箱から100円で捕獲。ジャケットに少々焼けがあるが盤質良好の拾い物だった。

スペイン生まれのアルヘンタ(1913-1958)はそう多くの録音を残していないので大方の音楽ファンにとって馴染みが少ない指揮者だ。ギター愛好家にとってはイエペスのアランフェス協奏曲の最初の録音で指揮棒を取っていた指揮者として馴染みがあるかもしれない。44歳の若さで夭折したアルヘンタ。このジャケット写真はいつ頃のものだろう。スペイン生まれということから直感するラテン系の情熱と鋭い眼光、と思いつつよく見ると、その眼差しには優しさも見え隠れする。才能に恵まれ、若くして嘱望され、可能性に満ちた青年像とも見える。印象的なジャケットだ。地元スペインの他ではスイス・ロマンドにしばしば客演し、アンセルメが自分の後継者に考えていたと、ものの本に書かれていた。

幻想交響曲というと後半二つの楽章のドンパチばかりが目立つが、通して聴いてみると分かるように、この曲の前半三つの楽章は後半に勝るとも劣らず素晴らしい。後半の派手さとは対照的ながら色彩的で、オーケストラの表現を聴くにあたっては格好の楽曲だ。そして同時に、この曲が19世紀前半1826年に作られたことに今更ながら驚く。
フランス音楽も得意にしていたアルヘンタがパリのオケを振ったこの盤では、往時のフランスオケの音色が存分に楽しめる。第1楽章冒頭から管楽器群の音色とバランスが独自で、この曲の構造的な面白さをよく分からせてくれる。総じて前半三つの楽章が味わい深い。後半二つの楽章は継ぎはぎ録音でない即興性を感じさせる。デッカによる録音もややオンマイクながら、バランス、各パートの分離ともよい好録音。今回アヴァロンで聴きながらあらためて気付いたのは低音域の充実で、絞りぎみのボリュームで聴いているにも関わらず、コントラバスの深く沈み込む基音がよくとらえられていて驚いた。手元にある幻想のディスク…ミュンシュ&パリ管、アバド&シカゴ響、カラヤン&ベルリンフィル、モントゥー&北ドイツ放響、クリュイタンス&フィルハーモニア管、パレー&デトロイト響、クーベリック&バイエルン放響他に中にあって、異彩を放つ名盤だ。


この盤の音源。デッカ盤LP音源の様子。コメント欄に1958年録音とあるが、1957年のはずだ。


「幻想」アレコレ



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