クリフォード・ブラウン「More Study In Brown」



在宅勤務が増えて次第に曜日の感覚がなくなってきた。きょうは土曜日だったかと、朝起きてしばらくしてから気付く。ここ数日天気はすっかり梅雨の前哨戦。どんよりとした天気と希薄になった曜日感覚とで少々物憂い週末土曜日の昼下がり。渋茶で一服しつつアンプの灯を入れ、こんな盤を取り出した。


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クリフォード・ブラウン(tp)とマックス・ローチ(ds)がツートップになって組んだクインテットによる「More Study In Brown」。1954年から1955年にかけてのモノラル録音。収録曲は以下の通り。

-A-
1.四月の思い出/2.ジュニアズ・アライヴァル/3.フロッシー・ルー/4.ミルダマ
-B-
1.ジョードゥ/2.ジーズ・フーリッシュ・シングス/3.ランズ・エンド/4.ザ・ブルース・ウォーク

タイトルから想像がつくように、先日聴いた<More>のない「Study In Brown」の続編ともいうべき盤。先の盤他の未発表テイクから集めて構成したというもの。クリフォード・ブラウンのトランペットとバルトを繰り広げるテナーサックスは、A面ではソニー・ロリンズが、B面ではジョージ・モロウが受け持つ。

ジャズアンサンブルの基本形であるピアノトリオなどと違い、クインテットともなると名人の個人技で好き放題のソロを取ればそれでOKとはならない。イントロ、テーマの提示には周到なアンサンブルアレンジが必要だし、ソロ回しも曲全体の組立てを前提にした展開が欠かせない。ひとりだけコンセプトの違うソロを取っていては台無しになる。クリフォード・ブラウンとマックス・ローチという名手の手になる五重奏団ともなると、ソロ回しはもちろんだが、アンサンブルとしてのその辺りの完成度が高い。どの曲も勢いに任せず、それぞれの持ち味が統一された曲想の中で展開していて、気持ちがいい。第1曲<四月の思い出>での抜群のドライブ感、第2曲<ジュニアズ・アライヴァル>での落ち着いたミディアムテンポの中での緊張感と抒情性を兼ね備えたソロ…モダンジャスを聴く楽しみの極みといってだろう。クラシックの世界ではトランペットは華やかさが前面に出るが、ジャズで聴くトランペットはむしろリリシズムに満ちた響きを感じる。


<四月の思い出>


<ジョードゥ>


このアルバム全体のプレイリスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PLLHYIb60T4dg4eKSocoHyh6V-v_TNjL5k



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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