G・グールドの「トルコ行進曲」



新コロナウィルス感染症に対する警戒レベルの引き下げで、今週から職場への出勤日が増えた。順調に推移すれば、更に来週・再来週と徐々に通常勤務体制に戻る予定。ぼくの場合、勤務体制の変更は二ヶ月程続いたことになるが、この間に溜まった業務の滞貨解消がこれから夏に向けての課題だ。そんなことに思いを巡らせながら本日も業務に精励。帰宅後ひと息ついて、こんな盤を取り出した。


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グレン・グールド(1932-1982)の弾くモーツァルトのピアノソナタ第11番イ長調「トルコ行進曲」付。手持ちの盤はLP時代のモーツァルト・ソナタ全集第4巻(70年代初出盤)。収録曲は以下の通り。

ソナタ第11番イ長調K.331「トルコ行進曲」付
ソナタ第15番ハ長調K.548
幻想曲ニ短調K.387
ソナタ第18番ヘ長調K.533/K.494(ロンド)

グールドが弾いた…という接頭語なしでも、モーツァルトのこの曲の演奏の中でもっとも有名なものの一つ、そして多くが語られている演奏でもある。今更何かを付け加えるのもはばかられるのだが、久々に針を降ろし、あらためて感心したので、備忘のために記しておこう。

名演奏には聴き込むほどにじわじわと感じ入る滋味あふれる演奏もあれば、一聴して度肝を抜かれるような衝撃的な演奏もある。更に、じわじわと衝撃とを併せもつ名演もある。このグールドによるトルコ行進曲の演奏は両方を持つ名演だろう。
トルコ行進曲はよく知られた曲だ。子供のピアノ発表会でも聴くだろうし、安田姉妹のスキャット版もお馴染みだ。そんな慣れ親しんだ軽快なトルコ行進曲のイメージでグールドの演奏を聴くと、正に度肝を抜かれる。まずテンポは行進が止まりそうなくらい遅い。およそ軽快・快活とは程遠い音色感と曲の運び。誰もが、えっ!と叫ぶだろう。そしてそのまま聴き続けると、まるで機械仕掛けの兵隊の人形がカクカクと足を運ぶかのような光景が浮かび上がってくる。白昼夢のような無機的な人形達の行進に怖ささえ感じてくる。しかしさらに聴き込んでいくと、平穏で安泰な世界が広がってくる…そんな演奏だ。聴き手のこちら側の心模様によって、どうにでも印象が変わってくる。つまり聴き手の心を映し出すかのような演奏と言える。

音楽好きはとかく自分の気に入った曲や演奏を周囲に薦めたがる。ぼくも以前は随分と押し売り伝道師を務めたものだが、最近は極力そういうことをしないようにしている。が、このグールドのトルコ行進曲だけは、あらためて押し売り宣伝しておきたい名演の一つだ。


この盤の音源。


息抜きにどうぞ…マルコ・タマヨとアナベル・モンテシノス(夫妻)によるギター二人羽折り



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