ハイティンク 壮年期のブルックナー第6



先回の記事に書いたハイティンクとアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団によるマーラー第4交響曲。聴き終えて盤を棚の戻そうとしたその場所の横にこんな盤を見つけて取り出した。


202006_Haitink_AB6.jpg


ブルックナーの第6交響曲。ベルナルト・ハイティンク壮年期の録音。ハイティンク(1929-)は60年代からマーラーやブルックナーを積極的に取り上げて、当時の手兵アムステルダム・コンセルトヘボウ(現ロイヤル・コンセルトヘボウ)管弦楽団と全集録音も残した。後年そのほとんどを再録音することになるが、今夜取り出したのは最初の1973年の録音。

ブルックナーの6番は、4番・5番そして7~9番といった彼の代表作の間にあって少々地味な存在だろう。ぼく自身このレコードを買ったきっかけをはっきりとは記憶していないのだが、他の番号をひと通り聴き、次なる曲として3番やこの6番を選んだのだろう。ジャケット裏のメモに1976年8月と書いてある。大学3年の夏休みに帰省した折、東京の中古レコード店に出向いて手にした記憶がある。

この第6番は全4楽章で1時間余。ブルックナーの曲の中では小規模の部類に入る。第1楽章の付点と3連符が特徴的な主題が流れてきて、ああ、これだこれだと、かつて寝食を忘れてブルックナーを聴き漁った学生時代を思い出した。中では第2楽章が美しい。人気のある第7番に通じる歌謡性に満ちた豊かな歌が楽しめる。第3楽章も始まってすぐにブルックナーのそれと分かるスケルツォ。第4楽章はソナタ形式で第5番や第8番のような圧倒的な構成力はないが、7番に勝るとも劣らない。なおブルックナーで問題となる使用楽譜の版について、ライナーノーツでは原典版とだけ記載されているが、おそらくハース版がベースのものと思われる。
久々に聴くブルックナー。やっぱ、ええなあ~!


この盤の音源。全4楽章。美しい第2楽章アダージョは15分22秒から。


ハイティンクは昨年2019年のルツェルン音楽祭を最後に引退した。90歳。そのときの模様。ブルックナー第7番のフィナーレ。


エッシェンバッハとhr交響楽団(フランクフルト放響)によるライヴ。2016年



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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