ジョン・フィールド ピアノ協奏曲第1番変ホ長調



6月最後の週末日曜日。昼過ぎから野暮用こなし、夕方になって時間が出来たので音盤棚をサーチ。こんな盤と目が合ったので久々に取り出した。


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アイルランド生まれの作曲家ジョン・フィールド(1782-1837)のピアノ協奏曲第1番変ホ長調。フンメルとのカップリング。フェリシア・ブルメンタール(1908-1991)のピアノ、フルムート・フロシャワー指揮ウィーン室内管弦楽団。原盤ユニコーン。1972年8月と印刷されている日本コロンビアの盤。これも以前箱買いしたLP数百枚の中に入っていたもの。

ピアノ音楽愛好家以外でジョン・フィールドの音楽に親しんでいる人は少ないだろう。ぼくも夜想曲(ノクターン)という形式を最初に書いた作曲家というトリビア的知識しかない。時代的には初期ロマン派というところだろう。19世紀初頭には欧州各地やロシアを旅して人気を博したようだ。

第1楽章は屈託のない曲想で始まり、ピアニスティックなフレーズにあふれている。終盤短調に転調するあたりは中々聴かせる。併録のフンメル同様、ピアノ・ヴィルティオーソ作曲家の創始と言われるのも理解できる。ただそれ以上の格別な深みは感じられず、世の中から忘れ去られても仕方ないかとも思う。第2楽章はスコットランド民謡風のフレーズで中々美しいなあと思いながらライナーノーツを眺めていたら、実際にスコットランド民謡「首都エジンバラのワン・マイル以内で」という歌に基づいていると書いてあって合点した。第3楽章はバグパイプを模した印象的なフレーズで始まり、快活なロンドとなる。世にあまり知られていないこうした曲を聴くのは、200年前のその時代をダイレクトに思い起こすようでもあり、いわゆる名曲のように手垢にまみれている感じもなく、中々味わい深い。


この曲ピアノ協奏曲第1番の楽譜付き音源。


ジョン・フィールドが創始者といわれるノクターン。その第2番ハ短調。右手旋律と左手伴奏が明確に分かれているので、左手パートをギターに移し、右手のメロディーをチェロか何かでそのまま弾いてもいい感じになりそうだ。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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