オーケストラ・アンサンブル金沢によるモーツァルト
梅雨の末期で西日本中心に大変な雨が続いている様子。当地関東地方は比較的穏やかな梅雨空が続いている。週末日曜の昼下がり、窓の外を眺めながら、明るく伸びやかな曲でも聴こうかと音盤棚をサーチ。こんな盤を取り出した。

オーケストラ・アンサンブル金沢によるモーツァルトの弦楽合奏曲が収められた盤。指揮は長らくアルバン・ベルク四重奏団の1stヴァイオリンを受け持っていたギュンター・ピヒラー。2005年同団のホーム:石川県立音楽堂での録音。金沢は学生時代を過ごした思い出の地。十数年前、出張で久々に訪れた際に地元の老舗:山蓄(2009年閉店)で手に入れた。以下の通り、お馴染みの三曲が収められている。
・セレナード 第13番 ト長調 K.525
・ディヴェルティメント ニ長調 K.136
・ディヴェルティメント ヘ長調 K.138
先程からディヴェルティメントの二曲を聴いている。
K.136の第1楽章アレグロ冒頭のフレーズが部屋に満ちる。いきなり妙な例えだが、採れたての、生きのいい海老がピチピチと飛び跳ねる様を想像してしまった。ライナーノーツによれば、編成は8-6-4-4-2と室内合奏としては標準的だが、演奏様式はカルテットかと思われる軽快なテンポとすっきりとしたアンサンブル。やや速めのテンポで軽やかに進む。K.138はヘ長調という調性と曲そのもの構成がK.136に比べて技巧的なためだろう、時折り転じる短調フレーズのスパイスも程よく効いて、明るさの中にも落ち着きと深さを感じさせる。
この盤はSACDとのハイブリッド仕様で、SACDモードではマルチチャンネルの再生が可能とある。手持ちのプレイヤー(アキュフェーズDP-560)で通常の2chで聴いているが、録音すこぶる優秀。伸びやかなヴァイオリン群はやや近めにクリアに捉えられ、同時に2本のコントラバスから繰り出される低音の基音が響き全体をしっかり支えていて、まことに気持ちのいい。
さて、あすは週明け月曜日。このディベルティメントにように伸びやかかつハッピーにいきたいものだ。
ディベルティメント ヘ長調 K.138 手持ちの盤からアップした。
水戸室内管弦楽団によるK.136。2012年
1stヴァイオリンに座っている潮田益子は2013年5月に亡くなった。
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