アントニオ・ラウロ「ギターのためのベネゼエラ・ワルツ集」



明日から連休という夜。先程までギターを取り出し練習。スケール・アルペジオ・カルカッシ25の練習曲から20~25番のルーチンをこなし、ひと息ついて音盤タイム。たまたま目が合ったこの盤を取り出した。


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ベネゼエラの作曲家アントニオ・ラウロ(1917-1986)が作ったギター作品集。アダム・ホルツマン(1960-)が弾くナクソス盤の一枚。録音は1998年。収録曲は以下の通り。

セイス・ポル・デレーチョ,マリア・カロリナ,エル・マラビーノ,マリア・ルイサ,アンゴストゥーラ,オクマレよさらば,パペロン,ネリー/ベネズエラ組曲/エル・ニーニョ/4つのベネズエラ風ワルツ/エル・ネグリート/ラ・ガティーカ/トリプティーコ/ベネズエラ民謡による変奏曲/スライ/カローラ

アルバムタイトルに「ワルツ集」とあるが、ヨーロッパの伝統的ワルツとは当然趣きが異なる。ベネズエラという土地柄といえばいいだろうか、いわゆるラテン系の民族的テイストをもったもの。急緩取り混ぜ、収録曲25曲の多くがそうしたラテン系ワルツで構成されている。ギター弾きには「4つのベネズエラワルツ」が有名で、特にその中の第2番や第3番「ワルツ・クリオロ」などは、アマチュア中級以上の輩なら一度はさらったことがあるだろう。いずれの曲のキャッチ―なメロディーが身上。長調曲では明るく楽天的に、短調曲では哀愁を帯び、こういう曲を聴くとギターとラテン民族系音楽の相性の良さを再確認する。実際に楽譜を広げて弾いてみると、音楽そのものは分かりやすいものの、技巧的には中々難しい。上記2曲は比較的取っ付きやすいが、明確なアクセントに加え、4分の3と8分の6が交錯し、それを意識し過ぎるとメロディーラインがぎこちなくなるなど、流麗に聴かせるのは難しい。 このナクソス盤はそんなラウロのギター曲をまとまって聴けるということで貴重。アダム・ホルツマンの演奏も美しい音とラテン訛りのない端正な演奏で好感がもてる。


この盤の奏者アダム・ホルツマンの弾く「エル・ニーニョ」


「アンゴストゥーラ」


歌謡調ワルツとは一線を画す、ラウロの創作意欲が感じられる「ベネズエラ組曲」



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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