ジュリアン&ジョン



先日訃報に接したジュリアン・ブリームで思い出し、今夜はこんな盤を取り出した。


JulianJohn.jpg


ジュリアン・ブリーム(1933-2020)とジョン・ウィリアムス(1941-)によるギター二重奏曲集。かれこれ40年以上も昔のことだが、当時人気のギタリストであったこの二人、ブリームとジョンそれぞれが属するレーベルの枠を超え、ギター二重奏のレコードを出して話題になった。「ジュリアン&ジョン」と題したこの盤だ。第1作が好評で2作目もすぐに出た。手持ちの盤は第1作が米RCA盤、第2作が国内RVC盤。

70年代初頭までクラシックギターの二重奏といえば、プレスティ&ラゴヤくらいしか知られていなかった。そこへ当時のトップ二人が二重奏をするということで注目を集めた。個性のまったく違う二人。ソルやカルリといった19世紀古典ギター隆盛期の二重奏オリジナル曲はもとより、エミリオ・プジョールが編曲したアルベニスやグラナドス、ブリーム自身がアレンジしたラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」など多彩な選曲も奏功した。2本のギターを効果的に使っていて、二重奏ってこんなに素晴らしいのかと感心したものだ。 ぼくも学生時代には、このレコードの収められているソルの「アンクラージュマン」やカルリの「ラルゴとロンド」などを友人と合わせた思い出がある。独奏楽器と見られがちなギターだが、スキルが同程度の相棒を見つけ、こうした二重奏を楽しむのもギターの醍醐味の一つだ。


ファリャ「スペイン舞曲第1番」


フェルナンド・ソル「アンクラージュマン」作品34


その後録音されたソル「幻想曲」作品54bis


以下は同曲のライヴ映像。二人の弾きぶりはよくく分かるが、録音レベルが少々低く聴きにくいのが残念。
https://youtu.be/1gSeI9VoKew


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懐かしいですね

学生ギター部の頃よく聴きました。プレスティ・ラゴヤも初めて聞いてぶっ飛びましたが、ジョン・ブリの2重奏のほうが好きでしたな。先輩がドリーを演奏会で弾いたり、これが刺激となって小組曲をギター2重奏にアレンジして演奏会で弾いたりしておりました。ブリームは固い爪爪の音もあれば涙が出るような美しい音も出し非常に好きなギターリストでした。音の魔術師でしたね。私はジョンよりずっと好きでした。

Re: 懐かしいですね

お話の様子からすると、通りすがりさんとは、おおよそ同世代ですかね(^^
確かにブリームの音色の使い分けは、ときに「そこまでやる?」というほどのこともありますが、そこがブリーム真骨頂でもあり、勢いにのった音楽の運びと相まって、説得力があったのだと思います。 そういえば、ブレスティ&ラゴヤの盤も手元にあったので、近々記事にしますね。

そうかもしれませんね

1961年生まれ、NHK ギターを弾こうの阿部保夫さんを聞いてギターを始めた世代です。
プレスティ・ラゴヤもジョン・ブリの2重奏もレコード持っていましたが時の流れとともにレコードプレーヤーもなくなり、レコードも何処へ行ったやら。ギターは3年ほど前から頑張って弾き始めてます。

Re: そうかもしれませんね

1961年・昭和36年ですね。私が小学校に入学した年です(^^;
ギターに関しては20代まではせっせと弾いていましたが、三十代、四十代は人並みに仕事に追われて疎遠となり、五十の声を聞く至って再開しました。若い頃と比べて大きな変化はなく、当時弾けたものは今も弾け、弾けなかったものは今も弾けないという感じですね。指の動き自体は、むしろ今の方がよく、速いスケールも多分今の方が楽に弾いているように思います。初見力や合わせ物への適応などは、若い頃より向上しているように感じています。確実の衰えているのは暗譜力でしょうか。 まあ、でもいつまで続けられるか…これからが問題です。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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