シューリヒトのブラームス



先回のシューリヒトのコンサートホール復刻盤の続き。今夜は本命ブラームスを聴くことにした。


202009_Schuricht_Weber_s.jpg


先回聴いたブラームスをウェーバーを収めた2枚組からブラームスの4番を取り出す。オケはバイエルン放送交響楽団。タワーレコードと日本コロンビアによるコンサートホール原盤復刻シリーズの1枚。録音は1961年ミュンヘン。日本コロンビアが所有するアナログマスターテープから192KHz・24ビットリマスタリングされたもの。

シューリヒトはもちろんリアルタイムで経験したわけではない。ぼくら世代の同胞と同じく、もっぱらレコード雑誌、とりわけ宇野功芳の文章に感化されたクチだ(本盤のライナーノーツも当然のように宇野氏による)。とはいっても当時から現役盤は少なかったし、古いコンサートホール盤の冴えない音質もあって、ぼく自身にとっては決して馴染み深い指揮者というわけではなかった。それでも相変わらずシューリヒトの人気は高く、こうして復刻盤が出るに及んだようだ。シューリヒトのコンサートホール盤はSWR(南西ドイツ放響)によるものが多いのだが、このブラームス第4のオケはバイエルン放響が受け持っている。

演奏は中々味わい深い。シューリヒトらしく速めのテンポでささっとやるのかと思っていると、意外にもそうばかりではない。快速調のあっさりしたフレージングを基本にしてはいるのだが、時折いくつかのフレーズでスッとテンポを落としたり、あるパートにスポットライトを当てるように強調してみたりと、かなり細かなコントロールをしているのが分かる。第1楽章は切々とよく歌う。響きは引き締まり、フレージングはもたれず、すっきりしていながら、どこかはかない。第2楽章はテンポも中庸で、いっそうしみじみと胸にしみる歌いっぷりだ。

オケの状態は他のコンサートホール盤で聴くSWRよりも、やはりバイエルン放響の方がよく、明らかに格上だろう。もちろんヨッフムやクーベリックとのDGでの録音バランスとは違うので、それほどの重量感は感じられないが、各パートの分離は良好だし、コントラバスの動きもよく分かる。これは録音条件ばかりではなく、ベースにあるシューリヒトの解釈と音作りによるところが大きいだろう。 ブラームスの4番が似合う晩秋はまだまだ先だが、このシューリヒト盤は枯れた晩秋の趣きではなく、よく晴れた青空ゆえの一抹の寂しさを感じさせる名演だ。


手持ちの盤からアップした。ブラームス第4番第1楽章


同 第4楽章



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