ナージャ・ゾネンバークのブルッフ
四連休も終わって勤労生活に復帰。きょうも程々に仕事していつもの時刻に帰宅した。ひと息ついて、相も変らぬ音盤ルーチン。久しぶりにこんな盤を取り出した。

ナージャ・ソレルノ=ゾネンバーク(1961-)のヴァイオリン。ブラームスとブルッフのヴァイオリン協奏曲を収めた1枚。エド・デ・ワールト指揮ミネソタ管弦楽団がバックを務める。1988年録音。手持ちの盤は十数年前に出たEMI廉価盤シリーズの1枚。ロマン派ヴァイオリンコンチェルトの名曲二つを収めたお買い得盤だ。今夜はこのうちブルッフの協奏曲第1番ト短調を聴いている。
ヴァイオリン協奏曲の名曲というと、まずはベートーヴェン、メンデルスゾーン、チャイコフスキー、ブラームスが四大協奏曲ということになるだろうか。それらに加えてシベリウス、ブルッフ、ヴィニャフスキー、ヴュータンといったあたりもぞれぞれに独自に魅力がある。中でもブルッフの第1番ト短調は他の有名コンチェルトに勝るとも劣らない、むせ返るようなロマンにあふれる佳曲。ヴァイオリンソロの名人芸だけでなく、オーケストラ部の充実した響きもこの曲の魅力だ。第3楽章はブラームスの協奏曲第3楽章をイメージさせるジプシー風主題がラプソディックに展開される。
ナージャの演奏は、当時の<過激><奔放>といった、ややネガティブな評どこ吹く風といった赴きで、このロマンティックな名曲を堂々と弾き切っている。音程が正確でボウイングの切れがよいヴァイオリニストにときとして感じるように、一聴すると線が細いようにも聴こえるが、曲の盛り上がりに従って十分ボリュームと太さのある音でスケール豊かに弾き進める。弱音のコントロールも完璧で、そのあとにくるフォルテシモとのコンビネーションによって、一層ダイナミズムの大きさが際立つ。エド・デ・ワールト指揮ミネソタ管弦楽団のバックも荒っぽいところがなく雰囲気のあるオーケストラサウンドで申し分ない。
2001年のPROMSでのナージャ。第2楽章途中から最後まで。
テレビのバラエティでもお馴染みの木嶋真優を迎えてブルッフ・トーク
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