佐藤弘和「音楽のおもちゃ箱」



週末土曜日。野暮用あって午前中から外出、夕方近くに帰宅した。
夜になってようやく一服。今夜は音盤タイムはお休み。代わってギターを取り出して、ひとしきり楽しんだ。相変わらず、まとまった練習時間は取れず、朝の出勤前にストレッチ代わりのスケール練習をしたり、今夜のように少し時間を見つけては細切れ練習が続いている。練習といっても、暗譜して指板上の運指を覚えて…ということはほとんどやらない。弾ける曲、弾けない曲、いずれも楽譜から目を離さず、楽譜だけを頼りに弾き通す。まあ、練習というよりは、やはりお楽しみタイムだ。このところは、少し前に手に入れたまま手付かずだったこの曲集を開いて楽しんでいる。


202010_Sato_Hirokazu_Music_Toy_Box.jpg


今年1月に出た佐藤弘和(1966-2016)の小品集「音楽のおもちゃ箱」。副題に「初心者のための40のやさしいギター小品集」とある。副題の通り、初心者が取り組むに相応しい技術レベルを想定し、音数は少なめ、規模も1頁に収めてある。しかし佐藤氏らしく、曲のコンセプトが明確で、4つで一組の組曲を成し、組曲が全部で10あって合計40曲の小品が収められている。

佐藤氏は作曲のモットーとして、「弾き易くわかり易くメロディックであること」また「楽器としてのギターを弾くことだけに偏りがちな傾向を打破するために、普遍的な音楽の中でのギターというものを考えていきたい」と表明している。技巧的に無理のない、シンプルで音数の少ない小品でも、豊かなメロディーと気の効いたモダンな和声が施され、弾いていて気分のよくなる曲が多い。この小品集「音楽のおもちゃ箱」もその方針は貫かれていて、初心者向けの限られた技術レベルの範囲を守りながらも、音楽として感興に富む。副題に引きずられず、中上級者も手に取れば、初見でほぼ通せるレベルながら十分楽しめるに違いない。


ページを開いてざっと通して弾いた中で、ト短調のこの曲が印象に残ったので録音してみた。「4つのロマンティックな歌」という組曲の中の第1曲「悲しい花」 楽器はエルナンデス・イ・アグアド1973


同曲 楽器をゲルハルト・オルディゲス2008に替えて。


ここ数年で録音した佐藤作品の再生リスト。全部で25曲。録音条件いろいろ、楽器もいろいろ、下手くそ変わらず…



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私にしては珍しく、イヤホンで真面目に聴き比べをしました。アグアドもオルディゲスもどちらも良い音。甲乙つけがたし。何度聴いてもどっちもいい。どちらかの方が良いってコメントしようと思ったけど諦めます。(笑)

Re: タイトルなし

みっちゃんさん、こんばんは!

>> 何度聴いてもどっちもいい…ホント?! うれしいなあ! (^o^)

録音して、しかもレコーダー付属のアプリケーションでなんちゃってマスタリングなど施しているので、生音の違いは分かりづらいですよね。もちろん弾き手の個性に支配されるという要素もあるでしょうけど…
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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