ラヴェル 弦楽四重奏曲ヘ長調
文化の日。終日在宅。身辺野暮用で日が暮れる。深まる秋の夜。きょうはこんな盤を取り出した。

ブダペスト弦楽四重奏団によるモーリス・ラヴェルの弦楽四重奏曲ヘ長調。1957年録音。仏物のお約束通りドビュッシーとのカップリング。これも十数年程前にネットで箱買いした数百枚の中に入っていたもの。70年代前後の盤と思われるSX68サウンドのマークが懐かしい。
牧歌的な主題が歌われる第1楽章。1stヴァイオリンとヴィオラで奏される第2主題はとりわけ美しい。闊達な第2楽章。夜のとばりにささやくような第3楽章。8分の5拍子という珍しいリズムをベースに時折5/4、3/4を折りまぜて進む第4楽章。フランクゆずりの循環形式をさり気なく使い、いずれの楽章にも第1楽章の主題が回顧される。幾多のピアノ曲をはじめとして、現代に通じる美しい和声の曲を残したラヴェルだが、このカルテットは中でも傑作の誉れ高い。ぼく自身はフランス音楽にはまったく不案内だが、こうして久々にこの曲などを聴くと、その革新性や今日につながる現代的和声感に心打たれる。
カフェでも居酒屋でも、今どき軽いジャズを流して「オシャレ~!」と気取るが、ラヴェルの弦四などをさりげなく流している店があったら、それこそ最高にオシャレだ。
この盤の音源。全楽章
ハーゲンSQによる第3楽章。美しい!
スコア付き音源。ABQによる演奏だそうだ。
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