クライバーのブラームス第四



いつまで続ける…秋色ブラームス。今夜はこんな盤を取り出した


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カルロス・クライバー(1930-2004)がウィーンフィルを振ったグラモフォン盤。デジタル録音も軌道にのり始めた1980年3月にウィーン・ムジークフェラインで録音されている。この盤についてはもう様々なことが語り尽くされていて、今更ぼくなどが口をはさむ余地はない。元々録音が少ないクライバー。貴重なブラームス録音がウィーンフィルとの演奏で残されたことは幸いだった。

このクライバー盤をCDジャケット帯のキャッチコピー風に称すれば「しなやかに歌い、ときに燃え立つブラームス」とでも言ったらいいだろうか。彼を評してよく言われる、その場でその音楽が誕生したような新鮮さがある。どの楽章もリズムは生き生きと脈打ち、旋律は天から降り注ぎ、地から沸き立つ。音楽のすべてに生気があふれている。
そしてクライバーのひらめきに満ちた指揮に応えるウィーンフィルの音がまた素晴らしい。70年代全盛期のメンバーがみな残っている時期だろう。またムジークフェラインでの録音にしては残響は控えめで各パートの音が明瞭に捉えられている結果、クライバーの棒に反応してオケ全体の温度感が上がっていくのがよく分かる。この曲でよく言われる、秋の暮色や枯淡の境地といったイメージとは異なる演奏だが、他に類をみない、そしてブラームスの魅力の存分に楽しめる名盤だ。


この盤の音源。全楽章。


バイエルンのオケとの1996年の映像。全楽章素晴らしいが、とりわけ終楽章(32分06秒から)は圧巻!



指揮者徳岡直樹氏によるクライバーのブラームス録音に関するマニアックな解説。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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