松田聖子「Seiko-Train」



11月最後の週末金曜日。きょうも程々に業務に精励。帰宅後一服して音盤棚を眺めていたら、久しぶりにこの盤が目にとまったので取り出した。


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松田聖子の「Seiko Train」。日本がバブル期に入る前の1985年、世にJPOPという言葉もまだなく、ニューミュージック、アイドル歌謡と言われていた頃にベスト盤としてリリースされたこのアルバムは、呉田軽穂こと松任谷由実が作った以下の10曲が収録されている。ジャケット帯にも記されている通り「ユーミン・コレクション」。トップアイドルともなれば、曲を提供する人、アレンジャー、スタッフ、いずれも一流の人たちがサポートすることになるが、松田聖子の場合もしかり。多くの優れた楽曲が素晴らしいアレンジと録音で残された。作詞はすべて松本隆。ジャケット写真は篠山紀信。

<Side-A>
1 赤いスイートピー
2 秘密の花園
3 小麦色のマーメイド
4 制服
5 時間の国のアリス
<Side-B>
1 Rock’n Rouge
2 蒼いフォトグラフ
3 渚のバルコニー
4 ボン・ボヤージュ
5 瞳はダイアモンド

ぼくは80年代アイドル全盛期すでにサラリーマン、加えてそこそこのクラシックファンだったので、リアルタイムで彼女らに血道を上げたわけではないのだが、当時のテレビやラジオから流れていたメロディは自然にインプットされてはいる。手元の何枚かの盤は後年リサイクルショップのジャンク箱から100円で捕獲してきものがほとんどで、この盤もその中の一枚だ。100円で拾ってきたものの盤質はほとんど未使用で、今でもスクラッチノイズもなく素晴らしい音で楽しめる。

どの曲も門外漢のぼくなどが説明する必要もない曲ばかりだろう。松田聖子の歌いっぷりは、多分意図的にかなり作った歌い方をしていて、30代以降の彼女のナチュラルな声と比べると、やはり随分と幼い印象と受ける。それでもハイトーンはきれいに抜けているし、音程が飛ぶときの安定感もいい。ユーミンの曲の良さもさることながら、伴奏のアレンジ・演奏がいずれの曲でも秀逸で、時代的には完全に80年代フュージョン全盛期の影響を受けていて懐かしい。いくつかの曲ではスラップ(チョッパー)ベースも出てくるし、16ビート系のアレンジではカシオペア風の16分音符裏拍のキメなどもあって思わず身体が乗り出す。更にほとんど曲でストリングスも入って、かなり厚い音作りではあるが、決してバックがうるさくなることはない。常にメインは松田聖子のボーカル。こうして10曲並べてみて、ぼくのお気に入りは「Rock’n Rouge」「時間の国のアリス」「瞳はダイヤモンド」「渚のバルコニー」あたりか。実は中森明菜の隠れファンではあるが、対極のような存在の松田聖子は聴いていてハッピーな気分になって、はなはだ心地いい。とりあえず今夜は「聖子いのち!」と叫んでおこう。


「Rock’n Rouge」


「Rock’n Rouge」と「ワンノートサンバ」の類似性についてのアナリーゼ。


ユーミンメドレー@2001 w/松任谷正隆



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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