グールドのブラームス



静かに更けゆく師走の夜。夜半の音盤タイム。今夜はこんな盤を取り出した。


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グレン・グールド(1932-1982)の弾くブラームスの間奏曲集。東京オリンピックの5年前、1960年秋に録音されている。グールド28歳の秋。この盤はブラームスの間奏曲に新たな光を当てた演奏として古くから知られていた。ぼくは最初CDで聴いたが、手に入れたCDはバラードやカプリツィオと一緒のごった煮状態の酷い編集だったこともあり、後年オリジナル選曲通りのLPを手に入れた。以前、NHKTVで坂本龍一が取り上げ、多くの人の知るところとなった盤でもある。もっとも坂本龍一を待たずに、多くのブラームスファンにとっては以前からよく知られた盤だった。

孤独と向き合い、深く瞑想する演奏。グールド自身が10曲を選び、曲順を考えて、そして当然A面・B面の構成も考慮して作ったに違いない。1枚のアルバムとしてこちらも向き合って聴きたくなる。そんな盤だ。ブラームスの間奏曲はその渋めの曲想にも関わらず、ロマン派的側面の一部を拡大解釈したような、豪勢な演奏を耳にするが、この音楽はそういう性格ではない。誰に聞かせるでもない、もっぱら個人的なつぶやき。だから、そう大声で叫ばないでほしい。グールドの演奏はそこを完璧に示していて、聴く側も、そうだったのかと気付かされる。グールドのバッハもいいが、このブラームスは数あるグールドの盤の中でも出色のアルバムだ。


アルバムの最初の曲。 変ホ長調作品117-1


アルバムの最後の曲。 イ長調作品118-2



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