デ・ラローチャのグラナドス



先日、少し前に書いた益田正洋氏の弾くグラナドスの記事のコメントをいただいた。そう、いい演奏だよなあ、益田氏のギターも素晴しいが、そもそもグラナドスの曲だいい…と思い出し、それではと、今夜はこんな盤を取り出した。


202012_Larrocha_Granados.jpg


アリシア・デ・ラローチャ(1923-2009)の弾くグラナドス作品集。70年代初頭にリリースされたこの2枚組の盤には、グラナドスの代表作である組曲<ゴエスカス>と組曲<ロマンティックな風景>が収められている。確かこの盤も出張先の大阪梅田の中古レコード店で安く買い求めた。ゴヤの絵をあしらったジャケットが中々ノスタルジックで気に入っている。

ぼくらのようなクラシックギター弾きにとってグラナドスやアルベニスといったスペイン近代の作曲家は、ギターのオリジナル作品を書いた作曲家と同等以上に馴染み深い。グラナドスの作風は、ショパンやシューマン、リストなどロマン派の保守本流的要素とスペイン的な民族色とを兼ね備え、更にそこへフランス印象派のエッセンスがちちばめられている。こう書くといささか散漫な作風のように思われるが、これらのごった煮というわけではなく、曲によって作風がシフトするとでも言ったらいいだろうか。組曲<ゴエスカス>は甘美なロマンティシズムというよりは内省的でほの暗い側面が強く、組曲<ロマンティックな風景>はその名の通り、より抒情的で優しさと憧れに満ちている。トゥリーナやレスピーギといった、同じ近代ラテン系作曲家と比べると明らかに内省的で静けさの勝る音楽だ。


この盤の音源。デ・ラローチャの弾く組曲<ゴエスカス>
1.愛の言葉00:00 2.窓辺の語らい08:15 3.ともしびのファンタンゴ18:32 4.嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす23:57 5.愛と死(バラード)30:16 6.エピローグ「幽霊のセレナード」42:32 7.わら人形50:03


組曲<ゴエスカス>のアナリーゼ


続編はこちら→https://youtu.be/8IXrAqLGmM8

組曲<ロマンティクな風景>の楽譜付き音源。ラローチャの演奏とのことだが、いつの録音だろうか。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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