チェリビダッケのハイドン「オクスフォード」



二月半ば週明け月曜日。きょうは都内で仕事だったが、相変わらず人出は多い。東京駅構内もおよそ緊急事態宣言下とは思えない様相だ。行き帰りの新幹線もビジネス、旅行他程々の乗車率で、密ではないが外出自粛とは程遠い感がある。そういう自分もそのうちの一人だから、仕方ないのだが…。さて、帰宅後ひと息ついて音盤棚を見回し、こんな盤を取り出した。


202102_Celibidache_Oxford.jpg


セルジュ・チェリビダッケ(1912-1996)指揮ミュンヘンフィルハーモニーによるハイドン交響曲第92番ト長調「オクスフォード>」。1994年2月録音。同コンビの録音は2000年頃一気にリリースされ、その後もボックスセットになったり、今回入手した盤のように廉価盤になったりと、再発が続いた。相応のリクエストがあるのだろう。ぼくもたまたま近所のショッピングモールに入っている書店のCDコーナーで見つけて、落穂ひろいのように数枚買い求めた。この盤にはオクスフォードともう1曲、モーツァルトの40番が入っている。

チェリビダッケのハイドンと聞いて想像するイメージと重なるところと、意外にもきわめてオーソドクスな面と、双方兼ね備えた演奏。第1楽章の序奏…えっ、オクスフォードはこんな曲だったかと思うほど精緻で美しい響きに驚く。ゆっくりとしたテンポとフレーズの合間に漂う緊張感。意味あり気なゲネラルパウゼが素晴らしい。そして弦楽器群はほとんどヴィブラート付けていない。まるでブルックナーのアダージョ楽章を聴いているかのような錯覚に覚える。これまで聴いた中でもっとも美しい序奏かもしれない。主部もややゆっくりめのテンポだが、柔らかくかつ充実した響き。音楽の構えは大きいが、音響的には古典らしくコンパクトな響き。編成も少し小さいようだ。そしてオケを無理に鳴らすことは決してなく、響きのバランス重視で進む。第2、3楽章は少々重く引きずるような表現で賛否が分かれるところ。終楽章は予想以上に快活なテンポで一気呵成に聴かせる。ミュンヘンフィルのアンサンブルと重心の低い響きも素晴らしい。総じて、晩年のチェリビダッケ特有の個性に満ちた演奏だが、風変わりなところは感じない。それでもこんなスタイルは今どき聴けないし、独自の表現もチェリ以外ではあり得ないワンアンドオンリーな盤だ。


この盤の音源。 冒頭の序奏だけでも聴く価値有り(0:57から)。


NDRエルプフィルハーモニー(NDR響:ハンブルグ北ドイツ放響から最近改名)による演奏。



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