パコ・サンチャゴ・マリンにペルラを張る
手元にある楽器のうち、パコ・サンチャゴ・マリンの弦が替え時となった。そこで、以前他のギターに使ったことのあるアクイーラ社のペルラ弦を久しぶりに試してみることにした。


アクイーラ社のギター弦が日本で販売されるようになったのは二十年程前だろうか。一般のナイロン弦と比べ数倍する価格が話題になった。その後値下げがあったり、反対に他の弦が少しずつ値上がりしたこともあって、以前に比べると敷居が低くなった。今回張ったペルラは他社の弦を比べてもほとんど変わりない価格が設定されている。写真のように特徴的な高音弦は植物性由来のバイオナイロンという素材で(ごく最近また素材は少し変ったらしい)、見た目はナイルガットと見分けが付かないような乳白色。低音弦は一般の銀メッキとさほど変らない外観だ。


やはり特徴的なのは高音の音色だ。同じアクイーラ社のナイルガットを使ったアルケミア弦のガット弦を模したざらっとした手触りと、その感触をそのまま音にしたようなカリッとした高次倍音を含む音に比べると、ペルラ弦の手触りは一般のナイロン弦ほどではないが、ほぼ滑らかで爪のノイズもほとんど入らず、モノトーンかつ太い音色を持っている。昨今流行りのやや金属的な響きの対極といったらいいだろう。落ち着いていて、サステインは短めな古風な響き。ただ音量感は十分あってよく鳴っている。低音も高音の音色と合わせるように落ち着いた音色。人によっては何となく古臭い、鳴りが悪いと感じる向きもあるかもしれない。ぼく自身の低音のイメージは、和声の成り立ちを支える重要な土台。金属的にビーンと鳴る高次倍音の多い音よりは基音成分が太くゆったり鳴ってほしい。その点このペルラの低音弦は120点をあげたい。もちろん楽器との相性もあるので一概に結論付けられないが、パコ・サンチャゴ・マリンがもつ明るくかつ音量感のある性格に少し落ち着きを与える感じで、いいマッチングだ。しいて言えば3弦にもう少しサステインがほしいところ。対策として3弦のみ一般のナイロン弦に(カーボン弦だと音色の差が大き過ぎるだろう)替えるといいかもしれない。高音・低音共、張って間もない時期で、これからもう少し伸びが進むとテンションも下がり、本来の音色がより明確になってきそうで楽しみだ。
下手くそな演奏録音で弦の音の違いなど分かるわけではないが、チョイと宅録。佐藤弘和「素朴な歌」の楽譜を久しぶりに開いて弾いてみた。繰り返しは省略です。
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