4頭目の盲導犬パピー



実は昨年から盲導犬育成ボランティアとしてパピーを預かっていた。その盲導犬パピーが今週末に協会へ戻る。生後2ヶ月、体重5キロで我が家にやって来たのが昨年5月。それから10カ月が経ち、27キロの立派な成犬になった。お別れの時だ。

昨年5月、我が家に来たばかりの頃
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盲導犬育成のボランティアを初めて体験したのが2015年。それからあまり間を開けずに続け、今回が4頭目で黒ラブの男の子。このブログには成長記録などほとんど書いていないが、以前からアクセスしてくれている輩の中には、1頭目(イエローラブ・女の子)、2頭目(イエローラブ・男の子)、3頭目(黒ラブ・女の子)の紹介記事がうっすら記憶にあるかもしれない。ぼくは熱心な愛犬家でもないので、日頃の世話はもっぱら妻が担当している。


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生後2ヶ月でやって来て、まずは排泄のトレーニング。盲導犬として好きな時に勝手に排泄することは出来ない。人間の声掛けに促されて排泄するよう習慣付ける。次いで基本的なコマンド(sit,down,wait)の修得。盲導犬としての仕事のほとんどは待つこと。人のコマンドに対応出来るようにする。生後3カ月を過ぎた頃から外散歩。よく見かける散歩のように犬の気ままで右左、そちこちで臭い取りの道草…という散歩はいけない。常に人(リーダー)の左横について歩く。リーダーの歩く止まるに合わせるようにする。もちろん散歩に出る前に排泄は済ませる(排泄をしたら散歩に行ける!と習慣付ける)。そうすれば散歩途中で粗相することはない。食事は決まった時間に決まった量だけ。人間の食事の際、犬に何かを与えてはいけない。人間の食事は自分とは関係ないことと認識させないと、盲導犬としてレストランに入ることも出来なくなるからだ。「うちの子はご飯になると吠えて教えてくれるのよ」と近所の奥様が言っていたが、それは単なる要求吠えだ。盲導犬として仕事をするには要求吠えはあってはいけない。小さいうちは何かと吠えたりクンクン言ったり、一緒に遊んで!ご飯頂戴!と要求するものだが、そうした犬からの吠えや声には、静かにしなさい!といった応答はしない。吠えたら黙って部屋から出て行ってしまうくらいの対応をする。そのうち吠えても無駄と知り吠えなくなる。

…と書くと随分窮屈そうに見えるだろうが、習慣性の強い犬はこうしたことをよく修得する。素人のボランティアであっても初期のトレーニングは十分可能だ。もちろん窮屈な思いばかりをさせているわけではなく、一緒にボール投げで遊ぶこともある。がしかし、過度に興奮させないということは常に念頭におく。これまで経験した4頭とも、生後半年までにほぼこうした習慣付けが出来上がり、一緒に食事に入ってもいたずらに騒ぐようなことはなかった。もっとも犬種としてラブラドールレトリバーの特性も大いにあるだろう。また、こうした習慣付けは、愛玩用として犬と暮らす場合にも有効だと思う。

近影
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そんなこんなで過ごした4頭目黒ラブF君との10カ月も終わる。コロナ禍もあってあまりあちこちへ連れていけなった(ごめんね)。これから協会に戻って訓練が始まる。常に人の気配があったこれまでの環境から、協会での犬舎暮らしは寂しいだろうけど、どうか程々に頑張って! いずれどこかで君が生き生きと仕事をしている姿を思い浮かべながら…グッドバイ!


■盲導犬に出会ったら…愛ある無視を!■
・声をかけたり、じっと前から見たり、口笛をならしたりしない。
・食べ物を見せたり、あげたりしない。
・盲導犬をなでたり、ハーネスを触ったりしない。
・自分のペットと挨拶させようと近づけたりしない。

■犬の十戒■
<1>私の一生はだいたい10年から15年です。あなたと離れるのが一番つらいことです。どうか、私と暮らす前にそのことを覚えておいて欲しいのです。
<2>あなたが私に何を求めているのか、私がそれを理解するまで待って欲しいのです。
<3>私を信頼して欲しい、それが私にとってあなたと共に生活できる幸せなのですから。
<4>私を長い間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。あなたには他にやる事があって、楽しみがあって、友達もいるかもしれない。でも、私にはあなたしかいないのです。
<5>時々話しかけて欲しい。言葉は分からなくても、あなたの声は十分私に届いています。
<6>あなたがどのように私を扱ったか、私はそれを決して忘れません。
<7>私を殴ったり、いじめたりする前に覚えておいて欲しいのです。私は鋭い歯であなたを傷つけることができるにもかかわらず、あなたを傷つけないと決めているのです。
<8>私が言うことを聞かないだとか、頑固だとか、怠けているからといって叱る前に、私が何かで苦しんでいないか気づいて下さい。もしかしたら、食事に問題があるかもしれないし、長い間日に照らされているかもしれない。それとも、もう体が老いて、弱ってきているのかもしれません。
<9>私が年を取っても、私の世話はして下さい。あなたもまた同じように年を取るのですから。
<10>最後のその時まで一緒に側にいて欲しいのです。このようなことは言わないで下さい、「もう見てはいられない。」、「居た堪れない。」などと。あなたが側にいてくれるから最後の日も安らかに逝けるのですから。忘れないで下さい、私は生涯あなたを一番愛しているのです。


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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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