セゴビア・コレクション第6集「ボッケリーニ賛」



先回聴いたカサドで思い出し、今夜はこんな盤を取り出した。


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アンドレス・セゴビア(1893-1987)がボッケリーニにまつわる曲を弾いた盤。80年代終わりに当時のワーナーパイオニアから出た全16巻から成る「セゴビア・コレクション」の第6集で、ボッケリーニのギター協奏曲ホ長調とカステルヌオーヴォ・テデスコ(1895-1968)のソナタ「ボッケリーニ賛」、それとカサド作曲のオリジナル曲「前奏曲とサルダーナ」「サルダーナ」が収められている。

先程からボッケリーニの協奏曲を聴いている。周知のようにこの協奏曲の原曲はチェロ協奏曲(第6番ニ長調G.479)で、セゴビアとカサド(1897-1966)の親交によりカサドがギター用に編曲。以降、ボッケリーニのギター協奏曲として知られるようになった。かれこれ30年以上前、この曲の楽譜を手に入れ、ピアノ弾きの知人と遊んだことがある懐かしい曲でもある。

先月亡くなった濱田慈郎氏のライナーノーツによれば、カサドはアルペジョーネ・ソナタをチェロとオーケストラのための協奏曲に書き直すなどオーケストレーションには通じていて、この曲に関してもかなり手を入れているとのこと。一方、ギターパートに関してはオリジナルに忠実で、僅かな和音を加える程度にとどめているようだ。 曲は型通りの3楽章からなる。ハイドンと同時代人のイタリア生まれのボッケリーニだが、ウィーンやパリで活躍したのち、亡くなるまでの30数年をスペインで過ごした。そのためか、当時の典型的な古典派の雰囲気をもちながらも型にはまるだけでなく、随所にスペイン風、南欧風の趣きがあって、よりフレンドリーな印象を与える。カサドの編曲もその辺りを意識してか、古典派ながら色彩的な雰囲気を感じる。

演奏はどこを聴いてもセゴビアの個性に満ちている。もちろんロマンティックに寄った解釈だが、独奏曲とは違ってオケとの呼吸があるためはテンポがしっかりキープされ、フレーズの崩しも少ない。セゴビアの特徴の一つで、倚音のアクセントが独奏曲以上に強く、そのあとに続くフレーズのタメもしばしば現れる。そうした個性がオケに伍してゆったりとこの佳曲を奏でる。その意味では、編曲ではあるが貴重な古典派のギター協奏曲であると同時に、セゴビアの風格を聴く盤でもある。


手持ちの盤からアップした。全3楽章。1961年の録音でオケパートはきれいに録られている。セゴビアのソロはやや音像が遠くかつ残響過多。また和音の強奏部分での歪も気になる。第1楽章のカデンツァはセゴビア自身による。第2楽章は美しいセゴビアトーンが冴える。第3楽章はもう少し躍動感が欲しいところだ。


カサドのギター曲「前奏曲とサルダーナ」「サルダーナ」



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カサド編曲は…

本来の原典をかなり切り詰めたジョルジュ パパンの版を元にしておりいます❗️
原典もパパン版もIMSLPで見ることができます。
セゴビアの演奏は…┐('~`;)┌かな🎵

Re: カサド編曲は…

Mazaさん、どうも!
私も原曲を聴いたとき、冒頭からまったく違うオケ部が出てきて驚いたものです。パパン版は練習用ピアノ伴奏版をいう感じでしょうかね。セゴビアの演奏は突っ込みどころ満載ですが、カサドと意気投合してこのアレンジを残し録音もしたことに、私は敬意を表したいと思います。
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