チョイと宅録 祝!百歳のハウザーギター
手持ちのギターの中の1本、南ドイツ・ライスバッハのハウザー工房1921年作が今年ちょうど百歳を迎える。

3年程前に手に入れたハウザー・ヴィエナ(ウィーン)モデル。入手当時大きな不具合はなかったが製作から100年を経過し、細かな部分で気になるところがあってあちこち手を入れた。現在はベストな状態になって味わい深い音を奏でてくれている。少し間から左手の指の調子が悪いこともあって、このところ通常のモダンギターより張力の低いこのギターに手が伸びることが多い。楽器の詳細は以下の記事に書いた通り。
http://guitarandmylife.blog86.fc2.com/blog-entry-1921.html
http://guitarandmylife.blog86.fc2.com/blog-entry-1949.html
20世紀初頭というとすでにスペインを中心に現在の一般的なクラシックギターと同形状のギターが作られていた時期になる。当時ハウザー工房ではドイツ伝統のシュタウファー系列のギターやドイツラウテ、チターなど多様な楽器を作っていたが、ちょうどその頃にスパニッシュスタイルのモダンギターも作り始めたようだ。セゴビアがハウザーのギターに出会ったのもその頃だった。
大雑把な言い方をすると、いわゆる19世紀ギターと現代のモダンギターの中間的な特性をもつように感じる。このヴィエナモデルに最初に出会ったときはその特性から、相性のよい楽曲分野との兼ね合いが今ひとつ分からずに、入手に二の足を踏んでいた。しかしその後数年たった2018年に再び出会った際は、その独自の風貌やネック調整機構のギミックなどもあって、音は二の次で手に入れた。 手に入れてしばらく弾いているうちに、最初に出会ったときの懸念は払拭された。モダンギター程ではないが、19世紀ギターに比べ表板の面積が大きいことからずっと豊かに鳴る。何より高音と低音のバランスがいいので、静まり返った夜半に軽いタッチで弾いていても不満なく楽しめる。
弦はガット弦を模して作られているアクイーラ社のアンブラ800(19世紀ギター用ローテンション)を張っている。高音側3本の表面に僅かなざらつきがあり、その手触りと擦過音が古風な音色を醸し出す。おそらく爪を切って指頭奏法で弾いた方がこのギターにはマッチするように思う。いずれトライしてみよう。
夜半のダイニングテーブルに楽譜を広げて2曲弾いてみた。例によってあちこち弾き損じがあるが大目に見て下さいませ。
ソルの練習曲作品35-17。楽譜はこちらのオリジナル版。広く使われているセゴビア編といつくかの相違がある。
バッハのチェロ組曲第1番のサラバンド。
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