ショスタコーヴィッチ交響曲第9番変ホ長調
週末日曜日。実はこの4月から町内自治会の組長を拝命。1000世帯ほどを10組に分け、それぞれを組長が取り仕切る。ぼくの場合は配下に5つの班から成る95世帯を抱える。公報や回覧物の配布、自治会費等の取りまとめ、町内にある各種の活動体との連絡等、ちょこちょこと用件がある。きょうも早朝から公園清掃で精を出した(やれやれ)。昼過ぎになって少し時間が出来たので渋茶で一服。ついでにアンプの灯も入れ、こんな盤を取り出した。

ショスタコーヴィッチの交響曲全集。ルドルフ・バルシャイ指揮ケルン放送交響楽団(WDR交響楽団)による演奏。90年代半ばを中心にセッション録音され、20年近く前に激安ボックスセットの雄ブリリアントクラシックスからリリースされた。
ルドルフ・バルシャイ(1924-2010)というと、ぼくら世代にはもっぱらモスクワ室内管弦楽団を振った録音で馴染み深い。あるいはそれ以外の活躍をほとんど知らなかったと言った方がいいかもしれない。この全集をみたときバルシャイが…と思ったのもそんなかつてのイメージがあるからだ。しかし実際にはショスタコーヴィッチと親交があり第14番を初演したり、また1976年に亡命後は各国のオケを振っているから、決して「ソビエト」の室内オケだけの指揮者だったわけではない。ショスタコーヴィッチの交響曲全集を録音してもまったく不思議はないわけだ。
きょうは全15曲11枚組の中から第9番を取り出して聴いている。いわゆる戦争三部作の一つであるこの第9番を最初に知ったのは、やはり学生時代の70年代半ば。指揮者もオケも忘れてしまったが、FMでエアチェックした演奏を聴き、その洒脱な曲想を面白おかしく感じた記憶がある。特に第1楽章のピッコロによるテーマは印象的で、その後現在に至るまで時々鼻歌で出てきてしまいそうになる。何故か昭和世代の漫才コンビ:てんわわんやのネタ「ぴっぴっピーヨコちゃんじゃ、アヒルじゃがぁがぁ」と何となくシンクロしてしまうのはぼくだけか(^^;
この第9番は5楽章からなるが、第4楽章は3楽章と5楽章のブリッジのような存在で、全曲も30分ほどの演奏時間。ショスタコーヴィッチの交響曲の中では第1番あたりと並んで小規模な方だ。曲想は先に記した第1楽章ピッコロのテーマのみならず、全編洒脱かつ滑稽なフレーズにあふれている。「第二次世界大戦勝利記念の曲としては、ふざけているにもほどがある」と、当時の政府から批判されたのもわかる気がする。しかしやはり20世紀最高の交響曲作曲家としての面目躍如で、管弦楽の面白さという観点から実に楽しめる曲の一つだ。 バルシャイ&WDR響の演奏は他の曲も含め、ショスタコーヴィッチの交響曲でときに聴かれる過激な表現や異常なほどのディナーミクなどとは無縁で、きわめて整然として中庸だ。録音も秀逸。あまたあるショスタコーヴィッチの交響曲録音の中にあって、リファレンスとして立派に通用する演奏だと感じる。
この盤の音源。「ぴっぴっピーヨコちゃんじゃ…」は44秒、2分01秒と現れる。他のパートにも受け継がれ、この楽章全体を支配するモチーフの一つ。
バーンスタインとVPOによる演奏。1985年
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