クレンペラーの「イタリア」



先日聴いたメンデルスゾーンの「スコッチ」で久々に我がメンデルスゾーン愛に火が付いた…というと大げさだが、「スコッチ」とくれば次はこれだろうと、この盤を取り出した。


202106_Klemperer_FM_Italia.jpg


初夏から夏にかけてのこの時期、必ず聴きたくなる曲の筆頭、メンデルスゾーン交響曲第4番イ長調「イタリア」。オットー・クレンペラー()指揮フィルハーモニア管弦楽団による1960年のセッション録音。手持ちの盤は同交響曲「スコットランド」とのカップリングで1995年にリリースされた盤で、当時東芝EMIが進めていたHS2088マスタリングによるもの。このHS2088マスタリングはあまり評判がよくなく、その後ほどなく本国仕様ともいうべきART(Abbey_Road_Technology)マスタリングに取って代わられた。

第1楽章冒頭から落ち着いた開始。といっても鈍重なテンポというわけでもなく、多くのこの曲の録音の中にあっては中庸だろうか。ぼくが最初にこの「イタリア」に接したクルト・マズア&ライプツィッヒゲヴァントハウス管による演奏よりずっと軽快な開始だ。各パートの響きはセル盤ほど明晰に分離しないが、それでもカラヤン&BPOよりはずっとクリア。弦楽群の対向配置により、第2ヴァイオリンが右から、チェロ・コンバスがやや左側の手間から奥に定位する。特に第2ヴァイオリンの動きがよく分かり、こんな掛け合いをやっていたのかと、随所で気付かされる。ぼくがこの曲の中で好きな第3楽章でも、やや抑え気味の弦楽群の表情付け、木管群やホルンの秀逸な響きなど、簡素ながら優美で美しいこの楽章を堪能できる。

ロンドンの腕利きプレイヤーを集めて結成されたフィルハーモニア管のアンサンブルは中々のものだ。1960年当時としては十分高レベルの録音と相まって、各パートの分離とマスの響きがほどよく調和し、全体的な音響バランスとしては申し分ない。この曲の身上ともいえるフレッシュな溌剌さというイメージという側面ではセル&クリーヴランド盤に譲るが、このクレンペラー盤は、交響曲としての構成感という意味においてドイツの伝統を強く感じさせる重みと深さを備え、ややモノトーンな響きながら、ニュアンスに富んだ素晴らしい音楽的感興を与えてくれる。


この盤の音源。全楽章。


アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮hr交響楽団(旧フランクフルト放送交響楽団)による小編成での演奏。2020年12月コロナ禍最中での無観客ライヴ。



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