ブラームス:ハイドン・ヴァリエーション



先日来、モーツァルトの主題をベースにしたヴァリエーション作品を聴いたが、その流れで先人作曲家の作品によるヴァリエーション、今夜は超メジャーなこの曲を聴くことにした。


202108_Brahms_Haydn_Variation.jpg


ブラームス作曲「ハイドンの主題による変奏曲」。レナード・バーンスタイン(1918-1990)とウィーンフィルによる1981年の録音。手持ちの盤は写真の通り、このコンビによるブラームス交響曲全集のLPセット。4つの交響曲とハイドン・ヴァリエーション、それと大学祝典序曲、悲劇的序曲が収められている。80年代初頭といえば、ぼくもまだ20代。発売からそれほど月日が経っていなかったと思うが、運よく中古盤を見つけて手に入れた。ブラームスの交響曲を聴き始めたのは半世紀近く前にことだが、同時にいくつかの序曲や2つのセレナーデなど、管弦楽曲にも親しんでいた。中でもこのハイドン・ヴァリエーションは聴くたびに、よく出来た曲だと感心し、今もってブラームスの交響曲と並んでよく聴く曲の一つだ。

評価の定まった大家の作品といえども、ときに中だるみや緩慢な感じをもつフレーズが散見されることはあるが、ブラームスの曲にはそうしたところが極めて少ない。取り分けこのハイドン・ヴァリエーションは20分ほどの曲ではあるが、隙のない構成、無駄な遊びのないフレーズ、変化に富んだ管弦楽手法など、聴くほどに惚れ惚れとする作品だ。「聖アントニウスのコラール」の主題は一見何気ない美しいメロディだが、冒頭5小節単位というフレーズによって一層印象的に響く。弦や木管によるいかにもブラームスらしい抑制の効いた曲想で進む中、時折り短調に転じる第2変奏、第4変奏が心の裏側を映し出すかのようだ。そして終曲の壮麗なパッサカリアで締めくくられる。どの変奏にも彼の交響曲のひと節を思わせるところがあって、これこれ!ブラームスは…と、聴きながら一人合点してしまう。

手元には、セル&クリーヴランド、バルビローリ&ウィーンフィル、ケンペ&ミュンヘンフィル、ベーム&ウィーンフィル、モントゥー&ロンドン響ほか、幾多の名盤があるが、このバーンスタイン&ウィーンフィル盤の演奏は、ウィーンフィルの艶やか音色とバーンスタインの巧者ぶりが際立つ名盤だ。久々に聴いたのだが、響きが少々肥大化したマッチョな演奏かと記憶していた。こうしてゼンハイザーのヘッドフォンとアキュフェーズのセットによる高分解能の音で聴くと、そうした印象はなく響きは精緻で、アンサンブルやバランスもよく練られているように感じる。そしてフレーズの高揚の頂点で時折り聴こえてくるバーンスタインのうなり声が、演奏の熱っぽさを伝えてくれる。


バーンスタイン&ウィーンフィルによる演奏。この盤と同時期のもの。



同曲の2台ピアノ版作品56b。アルゲリッチとフレイレによる演奏。



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