ドヴォルザーク 弦楽セレナーデ ホ長調



八月最後の週末日曜日。相変わらずのステイホーム。昼をはさんで、録画しておいたテレビ番組をまとめて消化した。夕方近くになってオーディオのスイッチを入れ音盤棚をサーチ。この盤と目が合ったので久しぶりに取り出した。


202108_Orpeus_Dvorak.jpg

Dvorak_Serenade.jpg


オルフェウス室内管弦楽団によるドヴォルザークの弦楽セレナーデ。1984年の録音。この曲の録音によくあるパターンでチャイコフスキー弦楽セレナードとカップリングされている(さらにヴォーン・ウィリアムズ「グリーンスリーヴス」による幻想曲)。

今更説明不要の名曲。全編美しく郷愁を帯びた旋律にあふれているのだが、まず始めに第1曲モデラートの出だしが聴きどころだ。写真のスコアをみてほしい。ヴィオラの刻みにのせて、ヴァイオリンとチェロが美しい主題を掛け合いのように奏する。この旋律にうっとりとしていると5小節目からコントラバスのピチカートが入る。このピチカートの響きがこの曲の最初に醍醐味だ。このオルフェウス室内管弦楽団は指揮者なしの団体だが、この曲を指揮者が振る場合、このコントラバスのピチカートに必ず意を尽くして指示をするに違いない。30年以上前になるが、最初にこの曲を聴いたときもっとも心ひかれたのはこのピチカートの響きだった。以降、この曲を聴きときにはこのピチカートが指示通りpでありながらしっかり響いているか、また録音はその基音ときちんととらえているかが気になるようになった。もちろん再生側もこの音をきちんと再生できないといけない。具体的にはスピーカから40~60Hzの低音がレベルは多少低くてもいいもの基音がしっかり再生される必要がある。

オーディオ装置のプレゼンテーションというと、大体は大編成の管弦楽曲をドカドカ鳴らすことが多いが、実はこういう静かな曲で音楽的に重要部分(実際のステージであれば確実に聴こえてくる)をしっかり再生できるかどうかを確認することの方が重要だ。コンパクトな装置でも何でも音楽は楽しめるだろうが、耳に付くキャッチーな旋律やリズムだけでなく、音楽を構成する音の隅々まで楽しもうとすると、よい録音と相応の再生装置が欲しくなる。


ノルウェイ室内管弦楽団による演奏。全楽章。 素晴らしい演奏。録音もよく録れている。


この盤の音源。第1楽章モデラート



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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