ライナー&CSOのバルトーク
あれよあれよと思っているうちに、気付けば今月も半ばを過ぎ後半に。この週末はチョコチョコを出たり入ったりで落ち着かなかったが、きょう日曜午後になって一段落。一服しつつ、先回のライナー&シカゴ響のワグナーで思い出し、こんな盤を取り出した。

フリッツ・ライナー(1888-1963)とシカゴ交響楽団(CSO)によるバルトーク「管弦楽のための協奏曲」(通称オケコン)。1955年ステレオ最初期の録音。取り出したのは70年代に出ていた廉価盤。60年代の国内初出のリビングステレオ盤もあったはずだが、先日来の音盤棚整理の余波で捜索困難に…(何のための整理整頓か)。仕方なく昔から聴き馴染んだこの盤をターンテーブルにのせた。その昔70年代初頭、廉価盤で買えるステレオ録音のバルトークはこのライナー盤くらいしかなかったように記憶している。廉価盤とはいえ、この盤と「弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽」(通称ゲンチェレ)などライナー&CSOによる一連の盤は原盤RCAリビングステレオシリーズの名盤だ。久々に針を降ろしたが、左右いっぱいに広がりながらも誇張感のないバランス、各パートの適度な距離感など、録音は今もって秀逸だ。
バルトークのこの曲自体もまったく隙のない作りと言ったらいいだろうか、管弦楽の機能と特性を生かしながら20世紀前半の音楽技法と民族的な要素や教会旋法など古来の伝統などをきっちりとした形式に収めた名曲。どの楽章も聴くほどに一抹の不安と安堵そして祈りとを感じながら、全体として不思議な平穏に包まれる。
管弦楽の編成は大きいが、決して迫力で迫る曲ではなく、全体に室内楽的な精緻な構成と透徹した響きが支配する。特に第3楽章「エレジー」から第4楽章「インテルメッツォ」での民族調のメロディー、そして終楽章のスピード感あふれるテクニカルな展開は素晴らしい。息をもつかせぬとのはこの曲のためにある言葉だろう。
この盤の音源で全楽章。
小澤征爾&ボストン響 1992年独フランクフルト・アルテオパー
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