ドヴォルザーク交響曲第6番ニ長調
週末日曜日。そして十月もきょうで終わりだ。秋本番。コロナ禍も小康状態とあって、あちこち随分と賑わっているようだ。そんなニュースを尻目に、きょうは野暮用もあってちょこちょこ外出で日が暮れた。夕方近くになって一服。久しぶりに聴きたくなって、この盤を取り出した。

チョン・ミョンフン(1953-)とウィーン・フィルによるドヴォルザークの交響曲第6番ニ長調と第8番ト長調とを収めた盤。1999年ムジークフェラインでのセッション録音。手持ちの盤は発売まもなくの頃たまたま見かけて手にした輸入盤。今夜は第6番を選んでプレイボタンを押した。
ドヴォルザークの交響曲といえば第9番「新世界から」、第8番が人気のツートップ。そのあと少し間があいて第7番。そしてようやく第6番が続くだろうか。ぼくはたまたま大昔の学生時代から6番、7番をFMエアチェックしたカセットで好んで聴いていたこともあって、6番も他の曲に等しいくらいに好きな曲だった。第7番同様、ブラームスの影響を受けたといわれる第6番だが、ニ短調の第7番と比べニ長調の第6番は全編明るい雰囲気をもち、ブラームスでいえば第2番ニ長調に通じるところがある。そういえば数年前、下野竜也の指揮する群馬交響楽団の演奏で聴いたことを思い出す。
第1章は冒頭から穏やかで親しみやすいフレーズが続き、誰しも引きつけられる。第2主題はぐっと情緒的になって、この曲を単調な明るさだけにしていない。第2楽章は木管の主題に続き弦楽群が美しく歌う。ときおり遠くから聴こえてくるホルン、木管群と弦楽群掛け合いなど、次々と曲想が変わり飽きさせない。第3楽章はいかにもドヴォルザークらしいフリアントによるスケルツォ楽章。お馴染みの快速調<2+2+2+3+3>のリズムが華やかに踊る。終楽章はソナタ形式をとり、二つの主題も明確に提示される。出だしはまさにブラームスの第2番を彷彿とさせる。管弦楽は効果的によく鳴るが、民族調のズンドコ節にはならず、最後まで格調を保ち大団円となる。
チョン・ミョンフン&ウィーン・フィルによるドヴォルザーク交響曲の全曲録音へ発展するとの話もあったようだが、結局その後の新録音はないようだ(この盤の数年前に第3番と第7番を録音している)。ムジークフェラインでのセッション録音ということもあって、全編美しいウィーンフィルサウンドにあふれる。チョン・ミョンフンがライヴパフォーマンスで時折みせる熱いドライブは控えめで、すべての音は常に整然としていて、演奏の格調はすこぶる高く、好ましい。
この盤の音源。第1楽章
同 第3楽章
イギリスの指揮者シャーン・エドワーズ(1959-)とベルリン・ドイツ交響楽団による全曲。
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