グールドのゴルトベルク1981年盤



今週も、公私とも年齢相応の雑事に見舞われながらも何とか終了(フ~ッ…)週末金曜日の夜、ひと息つきながら久しぶりにこんな盤を取り出した。


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グレン・グールド(1932-1982)の弾くバッハ「ゴルトベルク変奏曲」。例のボックスセット中の一枚。1981年録音。あまりに有名な盤なので説明は付さないが、グールド最晩年の録音の一つ。彼のデヴュー盤として有名な1955年盤と対比して語られ、それぞれにシンパがいることだろうが、ぼく自身はこの1981年盤を好む。

グールド自身が興味をもって積極的に接していた当時のデジタル録音による高音質が大きな理由の一つで、クリアかつまろやかで、ときに重心の低い音も聴かせる。晩年のグールドが気に入り、このゴルドベルクやハイドンの録音に使ったヤマハのピアノは、当時在NYの日本人によって調律された。グールド初期の録音で耳にするグールド流に調整された<あの音>とはまったく別物の音だ。もちろんグールドの演奏も素晴らしい。冒頭のテーマこそきわめて遅いテンポで始まり、何やらエキセントリックな印象だが、その後の各変奏は多彩な解釈と素晴らしい技巧のキレでピアニスティックに展開され、胸のすく思いだ。晩年とはいえ50歳。まだまだ弾ける年齢だったろうにと思わずにはいられない。


この曲中、短調を取る変奏曲は第15・20・25変奏の3つ。手持ちの盤からアップした第25変奏。この曲中で最大の規模をもち、様々に語られる変奏曲だ。


この盤の録音当時の映像。第25~28変奏。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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