チャイコフスキー交響曲第1番ト短調「冬の日の幻想」



月があらたまってい令和三年十二月。暦を眺めながら、もう師走か…と心の中でつぶやき、大きな溜息をついた。発展期のCPUの如く体内時計も年々クロックアップしている感がある。処理内容は年々単純になっているというのに…。それはともかく本日も程々に業務に精励。いつもの時刻に帰宅した。凍てつく夜の音盤タイム。先日聴いたチャイコフスキーで思い出し、こんな盤を取り出した。


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チャイコフスキー(1840-1893)の交響曲第1番ト短調「冬の日の幻想」。エイドリアン・リーパー(1953-)というイギリス指揮者がポーランド国立放送交響楽団を振っているナクソス盤。1991年録音。ナクソスの中でも初期の録音に属する。

この曲はチャイコフスキーの6曲ある交響曲のうち、後期作品の4番から6番に比べると演奏される機会も録音も少ないのだが、ぼく自身は4番以降と同じくらいこの第1番が好きだ。まずチャイコフスキー自身が付けたという「冬の日の幻想」というタイトルからして、ロシアの凍てついた冬をイメージさせ、冬が好きなぼくなどはそれだけで惹かれてしまう。

第1楽章は低弦の半音階進行風のモチーフが印象的で、民謡風の第1主題の後ろで常にこのモチーフがうごめく。クラリネットによる第2主題は実にチャイコフスキー風の、憧れに満ちた切々としたメロディーだ。第2楽章は彼が書いたアダージョ楽章の中でももっとも美しいものの一つだろう。弱音器を付けたヴァイオリンで奏される哀愁あふれる主題が木管、チェロと引き継がれながら気分をかえて繰り返される。その都度にオーケストラの持つ多様な音色に心惹かれる。第3楽章はドヴォルザークの交響曲のスケルツォ楽章を思わせるスラブ風のリズムが印象的だ。終楽章はそれまでの3つの楽章に比べると空気が一変したかのような明るさと大らかさで、少々チャイコフスキーのお定まりの展開と言えなくもない。

この盤を手に入れたのはかれこれ二十年近く前だと思う。当時ナクソス盤の人気が話題になりつつあった頃で、近所の書店の片隅にナクソス盤コーナーが出来ていた。たまたま手に取った盤だったが、中々の拾い物だった。少々残響が多めの録音だが、多分現地のホールの響きに近いのだろう。第1楽章で重要な役割を負う低弦群の響きや定位もよく、木管群もブレンドされた響きだ。演奏そのものもチャイコフスキーとしては洗練された曲の運びで、金管が過度に鳴り渡ることもなく、オケ全体の響きが豊かなホールトーンと共に部屋にあふれて、心地よいことこの上ない。今夜久々にこの盤を聴いて、あらためて感心した。

ロシア物の管弦楽を楽しむのも冬の風情に一つ。寒さはこれから本番だ。荒涼としたシベリアの大地や美しいサンクトペテルブルクの街並みに思いを馳せながらロシア物を聴くのも一興。。

この盤の音源。第1楽章。


パーヴォ・ヤルヴィ指揮hr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)による2012年の演奏。全4楽章。



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