ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調



関東地方は今週始めから一気に冷え込むようになり、師走を感じさせる。12月最初の週末土曜日。昼前から野暮用外出。日が暮れる頃になって帰宅した。さて週末の音盤タイム。久々に濃い目の曲が聴くたくなり、こんな盤を取り出した。


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ブラームスのヴァイオリン協奏曲ニ長調。ダヴィッド・オイストラフ(1908-1974)とジョージ・セル(1897-1970)ががっぷり四つに組んだ名盤。オイストラフのブラームスは正規盤として確か数種類がリリースされていると思うが、1969年録音のこのEMI盤はその中で最後の録音。同時期にロストロポーヴィッチを加えてドッペルも録音し、カラヤンとリヒテルも加えたベートーヴェンのトリプルとカップリングされた例の盤がリリースされた。

第1楽章はソロを入るまでオケだけによるかなり長い導入部がある。その出だしからセル&クリーヴランドの響きが素晴らしい。控え目といっていいほど抑制が効いた響き。決して力まず終始余裕を感じさせる。そしてこれ以外にはないと思わせるテンポ設定。オイストラフのソロが入ってきてからも、決して大騒ぎせず、全体的に<静>のイメージが支配する。オイストラフのヴァイオリンも太く逞しい男性的なイメージから想像する通りの音ではあるが、決して力で押さず、一音一音確かめるかのように弾き進める。この演奏がこんな内省的で思慮深いものであったのかと思わぬ発見。そしてオケ、ソロともに第1楽章の中盤あたりから次第に熱気を帯び始める。たっぷりとしたヴィブラートはトリルにまでかかっているのではと思わせ、時代を感じさせるが、これもまた唯一無二だ。
第2楽章はオイストラフの音色が甘美な旋律に更に深みを加え、この曲を聴く醍醐味ここに極まるの感がある。第3楽章はブラームスのもう一つの側面であるラプソディックな楽句が続く。昨今の演奏は速めのテンポで一気呵成に走り抜けるだろうが、この演奏はそうした当世流の解釈とは一線を画し、堂々と王道を行く。全楽章を通し、正に王者の風格を感じさせる名演だ。


この盤の音源。全3楽章。


第3楽章。1958年とライヴ映像。



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いい曲、演奏ですね。

ブラームスのヴァイオリン協奏曲をオイストラフとセル&クリーヴランド管の演奏で、いいですね〜。相撲で言えば「がっぷり右四つ、横綱勝負」といったところでしょうか。またLPで聴いてみたくなりました。

Re: いい曲、演奏ですね。

narkejpさん、どうも!
巨匠の時代が終わって久しいと言われますが、この演奏などは、そのかつての時代を伝える演奏ですね。芝居でも「役者の格でみせる」なんてことを言いますが、まさにそれが当てはまります。
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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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