ブラームス ピアノ四重奏曲第1番ト短調



穏やかな日和が続く師走の関東地方。きょうも程々に業務に精励し、いつもの時刻に帰宅した。先週末から散らかっていた道楽部屋の片付けをしながら音盤タイム。今夜はこんな盤を取り出した。


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ブラームスのピアノ四重奏曲第1番ト短調。エミール・ギレルス(1916-1985)のピアノとアマデウスカルテットによる1970年の録音。久々に取り出した盤の見開きジャケットを開けると、少しかび臭いレコードジャケット独特のにおいが鼻をつく。

盤に静かに針を落とす。一瞬プツッという音がして、針が盤の溝をキャッチ。軽いサーフェイスノイズに導かれるように第1楽章冒頭のピアノ導入句が始まった。この主題からしていかにもブラームスだ。少々センチメンタルな男の鬱々たる表情が浮かぶような出だしだ。ピアノに続いてチェロ・ビオラ・バイオリンと弦楽器が順番に絡んでいき、決然とした第1主題が提示される。そして続くチェロの第2主題がまたいい。ブラームスを聴く醍醐味ここに極まれりという感じだ。ギレリスとアマデウスカルテットのメンバーはブラームスに相応しい重量感と渋み、そしてときに熱っぽい響きを聴かせ、音楽の運びは申し分のない。弱音器をつけて始まる第2楽章は指定のアレグロ・マ・ノン・トロッポより体感的にはいくらか速く感じる。フレーズごとにわずかながらテンポを揺らし、あまり歌い過ぎず、ときにスケルツォ風の不安感も漂わす。そして美しい主題と重層的な展開の対比が素晴らしい第3楽章。バイオリンのノーバート・ブレイニンの音色が、やや鼻の詰まったような古風な音色なのは録音のためなのか、こういう音色なのか定かでないが、落ち着いた渋さが身上のこの曲には相応しいか。第4楽章はジプシー風ロンドという呼称の通り、ハンガリー舞曲に通じるような急速調始まる。中間部で何度か出てくるジプシー風の哀愁に満ちたモティーフが切々と響く。最後はチャルダーッシュを思わせる急速の展開で一気に頂点に上り詰めて曲が終わる。堂々とした構成と規模、多彩な曲想と展開。ブラームスの室内楽の中でももっとも素晴らしい曲の一つだ。


この盤の音源。第1楽章。


シェーンベルクによるこの曲の管弦楽版。若杉弘とケルン放送交響楽団による演奏。第1楽章。手持ちの盤からアップした。



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