サイモンとガーファンクル「7時のニュース/きよしこの夜」
きょうはクリスマスイヴ。特別な趣向もないが、さて何を聴こうかと思案。バッハのクリスマス・オラトリオか、あるいはヴィヴァルディのグロリアミサでもと思ったが、ふと思い出し、サイモンとガーファンクルの「7時のニュース/きよしこの夜」を聴くことにした。


サイモンとガーファンクルはぼくら世代には正にリアルタイムの存在だ。中学2年のとき映画「卒業」を観た。当時うぶな田舎の中学生にはストーリーさえよくわからなかったが、S&Gが歌う挿入歌のいくつかは印象に残ったし、ラジオのスイッチを入れるとヒットチャートに彼らの曲が必ずあった。ぼく自身は彼らの熱心なファンではないが、後年手に入れたアルバムが数枚ある。そして彼らの曲で1曲選ぶとしたら、サイウンド・オブ・サイレンスでもミセスロビンソンでもなく、「7時のニュース/きよしこの夜」を選ぶ。ご存知の通り、この曲はS&G歌う「きよしこの夜」のバックで、60年から70年代初頭にかけてアメリカの主要な社会問題であった人種差別やベトナム戦争などに関するニュースが読み上げられる。
1967~69年は日本でも学生運動がピークを迎えていて、ぼくも中学生ながら社会派の本に夢中になったり、学園闘争や反安保闘争の出来事に強い関心を寄せていた。70年になって安保闘争や学園紛争が終焉すると、日本では大阪万博が開かれ、社会は一気に昭和元禄といわれる享楽的な時代になる。音楽からも岡林信康や高田渡などのアングラフォークのような反体制や社会派のメッセージは消え、代わって吉田拓郎、かぐや姫、ユーミンらがメジャーから登場。商業的なニューミュージックといわれる潮流が出来上がっていった。
オイルショック前の1972年頃まで享楽的な昭和元禄に酔っていた日本。その日本をよそにベトナムでは戦火が続き、アメリカ社会は病み続けていた。この曲7時のニュース/きよしこの夜」を聴くたびにその当時の空気を思い出す。年の瀬のこの時期に、この曲最後のアナウンサーの結び「Good night」を聴くと、最後のページを読み終えて本を閉じるときにような思いになる。そして今年も終わりになるのだと実感する。
先日、都内での仕事が少し早く終わったので、日没前後の東京駅・丸ノ内界隈をひと回りした。暮色に染まるクリスマス前の都会の光景。スマートフォンで撮った写真をWindows付属のアプリケーション「フォト」で安直お任せ加工。気の利いた編集もないが、どうかあしからず。
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