シューベルト交響曲第4番ハ短調「悲劇的」



仕事始めの一週間が終わり週末金曜日。令和4年に合わせた4しばりの音盤タイム。今夜はこんな盤を取り出した。


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今や指揮界の最長老の一人ヘルベルト・ブロムシュテット(1927-)が指揮したシュターツカペレ・ドレスデンによるシューベルトの交響曲第4番ハ短調「悲劇的」。数年前に入手した全集盤の中の一枚。ドイツシャルプラッテンレーベル1980年録音。お馴染みのドレスデン・聖ルカ教会での録音。シューベルトの交響曲の中では5番や9番「ザ・グレート」と並んで好きな曲の一つだ。

第1楽章4分の3拍子アダージョ・モルトの序奏。冒頭のトゥッティがティンパニの強打を伴って堂々と響き、同時にフェルマータ付きの付点二分音符が思いのほか長く引き延ばされて驚く。CDプレイヤーのカウンタをみたら10秒間かけていた。古典から初期ロマン派へのピリオドスタイルの浸透で、大編成によるこんな堂々としたトゥッティの響きは今では中々聴けないかもしれない。主部に入るとシューベルトらしい豊かな楽想があふれる。展開部こそごく短い簡素なものだが、メロディー、和声、リズム、いずれも素晴らしく、まったく飽きさせない。ハ短調の調性とシューベルト自身が付けた「悲劇的」というタイトルからも分かるように、多分にベートーヴェンの交響曲を意識させるが、やはり展開力で聴かせるベートーヴェンの個性とは異なる。第2楽章のモチーフは4つの即興曲と酷似している。いかにもシューベルトという穏やかな美しさに満ちる。第3楽章はメヌエットの指定だが、アクセントの移動、半音階フレーズなどスケルツォ風に進む。トリオをはさんで簡素な構成ながら耳に残る楽章だ。終楽章もソナタ形式をとり、冒頭ハ短調主題が提示されるが、その後曲想は明るみを帯び、疾走のうちに曲を閉じる。

ブロムシュテットとSKDの演奏はややゆっくりめのテンポながら、アーティキュレーションが明確でアインザッツもピタリと合わせ、実際のテンポよりもキビキビと聴こえる。弦楽群が左右にいっぱいに広がり、右奥から聴こえてくる低弦群の響きも充実していて、ホルンのペーター・ダムやティンパニのゾンダーマンを擁していた往時のSKDを堪能できる。木管群はやや近めの音像で弦楽群と明瞭に対比する。このコンビと東独シャルプラッテンレーベルが残したアナログ最終期の名録音の一つだ。


手持ちの盤からアップした。第1楽章


同 第3楽章


洗足学園の小編成オケによる演奏。全4楽章。



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