ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第4番ハ短調
成人の日を含む三連休の中日。朝から野暮用でウロウロして昼過ぎに一段落。ひと息つきながらの音盤タイム。年初以来の「4しばり」でこんな盤を取り出した。

ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のメンバーを中心に構成された、その名もゲヴァントハウス四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏全集盤。1808年創設というからオケ同様、世界でもっとも古いアンサンブルの一つだ。数年前にリリースされ、ぼくはアマゾンで叩き売られていたのを見つけて昨年手に入れた。手元にあるベートーヴェン弦四は、バリリSQのモノラル盤全集LP、ABQの中期作品、メロスSQの後期作品がある。このゲヴァントハウス四重奏団の盤は、比較的新しい録音で何か全集盤リファレンスをと思い、手に入れたもの。今夜は「4しばり」ということから第4番ハ短調作品18-4を取り出した。
ベートーヴェンの弦楽四重奏の中で初期作品と言われる作品18の6曲にあって、この作品はハ短調という調性とその曲想から、中期以降の作品につながる重要かつ優れた作品とされている。第1楽章冒頭から熱のこもった印象的なハ短調のメロディーで始まる。しかし中期以降のベートーヴェン作品に見られるような激しさや苦悩というのは違って、どこか若さとしなやかさを感じるハ短調だ。それは快活な第2主題や全体と通して長調フレーズも多いことによるのかもしれない。第2楽章はスケルツォと記されているがテンポの指示はAndante quasi Allegroで、最初に聴いたときメヌエット楽章かと思ったほどだ。しかし聴き進めるとソナタ形式で出来ていることが分かり、終盤にはフーガを付されているあたりは、スケルツォらしい自由さの表れかもしれない。続く第3楽章がAllegrettoの指示があるメヌエット。一聴するとこちらが方がスケルツォ風か。 終楽章はハ短調のラプソディックなフレーズが軸になるロンド形式。第1楽章同様、長調部分も多く、いわゆる「苦悩から勝利へ」というようなベートーヴェン公式は希薄に感じる。全曲を通してぼく自身の印象は軽みのあるハ短調。ベートーヴェンのハ短調作品に付いてまわる悲劇的要素はあまりなく、古典様式に軸足を置いていたベートーヴェンが次第にロマン派の扉を開けようとしている、そんな様子をうかがわせる曲。あまりシリアスにならずにベートーヴェンらしさを楽しむのいは好適な佳曲だ。
ベートーヴェンの初期四重奏曲の中でも名曲ということで、YouTubeに多くの演奏がアップされている。以下はクーパーズタウン四重奏団という団体による演奏。全4楽章。
アルバンベルク四重奏団による全4楽章。
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