ベートーヴェン弦楽四重奏曲第15番イ短調
気付けば二十日も過ぎて今月も下旬となった。寒さとコロナ感染続く中、今週もせっせと働き週末金曜日。きょうは都内での仕事帰りに所用あって御茶ノ水をひと回りしてから帰途に。8時を少し過ぎに帰宅した。夜半前の音盤タイム。数年ぶりにこんな盤を取り出した。

ベートーヴェンの後期四重奏曲。ラサール弦楽四重奏団による後期作品集の3枚組。第13番から第16番が収録されている。今夜はその中から第15番イ短調作品132の盤を取り出した。1977年3月録音。ベートーヴェン弦楽四重奏の手持ちの盤では、バリリSQの全集、ウィーン・アルバン・ベルクSQの中期作品集(最初の録音)、数年前に手に入れたライプツィッヒ・ゲヴァントハウスSQによる全集、それとこのラサールSQ盤の後期作品集がある。
ぼくにとって、ベートーヴェンのカルテットはそうそう頻繁に聴く曲ではないが、聴き始めるとやはりその深い内容と充実した響きに心奪われる。 一方で後期作品ともなると、その規模大きさ、和声の複雑さ、そして曲調の深遠さから、およそエンターテイメントの概念からは遠く、そうそう楽しく聴く音楽ではなくなる。そんな中にあって第15番イ短調は、明快なメロディーラインや和声感、穏やかで心温まる緩徐楽章など、あまり深刻にならずに聴ける曲だろう。
全5楽章中でも取り分け、素朴な舞曲調の第2楽章や教会旋法からなるコラール風の主題が清らかに流れる第3楽章、そしてアラ・マルチアの第4楽章から続く終楽章と、明快な短調主題とその展開にベートーヴェンらしさが聴ける。初めて聴いても心惹かれるだろう。総じてこの第15番は深刻な曲調が多い後期弦楽四重奏の中にあって、過度な深遠さとは無縁と言ってよく、素直に充実したベートーヴェンの音楽が楽しめる佳曲。凍てつく冬の夜に聴く渋いベートーヴェンのカルテットはまた格別だ。
この盤の音源。第1楽章。
全曲(但し第2楽章が割愛されている)。この曲でもっとも視聴回数が多かった演奏。
第3楽章の終盤から第4楽章・第5楽章。スコア付き音源。
長い第3楽章の終盤が静かに終わり、4分30秒からアラ・マルチアの第4楽章へ。6分5秒からレシタチーボ風の経過句を経て6分45秒から第4楽章。
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