サラ・ヴォーン「Crazy And Mixed Up」
ひな祭りが終わり、遅かった春一番も吹き、日足ものび…ようやく春到来を実感する頃になった。週明けから年度末業務に精出し、きょうは火曜日。今夜はジャズ。こんな盤を取り出した。

サラ・ヴォーン(1924-1990)が活動後期、パブロレーベルに移ってから残した傑作アルバムの一つ「Crazy And Mixed Up」。この当時コンビを組むことが多かったギターのジョー・パスに加え、ローランド・ハナのピアノ、アンディ・シンプキンスのベース、ハロルド・ジョーンズのドラムが加わり、円熟のヴォーカルを聴かせてくれる。1982年録音。収録曲は以下の通り。
1. I Didn't Know What Time It Was
2. That's All
3. Autumn Leaves
4. Love Dance
5. The Island
6. Seasons
7. In Love Vain
8. You Are Too Beautiful
1曲目の「I Didn't Know What Time It Was」。マイナー・キーの循環コードにのって軽くスィングするサラのヴォーカルは夜更けて聴くにはベストチューンだ。タイトル曲の第3曲「枯葉」でのまさに火の出るようなスキャットは圧巻。ジョー・パスのギターもよどみないフレーズを繰り出して、夜更けのセッションは大いに盛り上がる。初めて聴いたとき「枯葉」のテーマはいずこへ?と思ったが、テーマなしでインプロヴィゼーションに突入する意表を突く演出で驚いた。 情感たっぷりに語りかけるスローバラードを2曲はさんだあと、この盤のピアノを受け持つローランド・ハナ自身の作曲によるSeasonsでは一転して伸びやかに明るく歌い上げる。終曲You are too beautifulでは広い音域に渡って張りとボリュームのある声、そしてよくコントロールされてヴィブラートと、サラ・ヴォーンならでは歌唱が楽しめる。50年代のサラはもちろん素晴らしいが、80年代晩年の彼女も実に味わい深い。
この盤の音源。「I Didn't Know What Time It Was」
同 「枯葉」
同 「You Are Too Beautiful」
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