ノルウェー・ヴァイオリン名曲集
週明け月曜日。本日も業務に精励。今年度末の業務案件も片付き、新年度に向けた準備など少々。そしてホワイトデイ…一切関係なく帰宅。ひと息ついて、今夜はこんな盤を取り出した。

「ノルウェイ・ヴァイオリン名曲集」と題されたNAXOSの一枚。1997年録音。NAXOS専属の録音専門オケ:ラズモフスキー交響楽団による演奏。ビャルテ・エンゲストという指揮者が振り、ヘンニング・クラッゲルードという1973年ノルウェイ生まれのヴァオリニストがソロを弾いている。タイトル通りノルウェイの作曲家、それもブル、シンディング、スヴェンセン、ハルヴォルセンといった、グリーグほどの知名度を持たない作曲家の作品が収められている。主な収録曲は以下の通り。
オーレ・ブル:羊飼いの少女たちの日曜日。憂うつ。協奏曲ホ短調からアダージョ。
クリスティアン・シンディング:古風な様式の組曲 Op. 10
スヴェンセン:ロマンス ト長調。
ハルヴォルセン:ノルウェイ舞曲第1番、第2番。乙女の歌。老漁師の歌。結婚行進曲他
グリーグ:2つの悲しい旋律。君を愛す。
何ともロマンティックで美しいメロディーの曲を集めたものだと感心する。グリーグの抒情小曲集などに親しんでいる向きには、その路線といったらわかりやすいだろうか。ロマンティクというヨーロッパの歴史に深く根ざした概念など、ぼくはとんと理解していないのだが、つたない理解で言葉を当たるなら、ノスタルジックあるいはメランコリーといった方が相応しいかもしれない。いずれの曲も穏やかでゆるやかなメロディー、心地よいが単純ではない和声、控え目なダイナミズムに彩られ、限りなく美しい。こちらの心中が満たされているときに聴けば、幸せが倍増するだろうし、反対に憂いを抱えているときに聴くと少々あやうくなるかもしれない。知名度の高いグリーグの曲も2曲入っていて、さすがに一層際立った美しさだ。
オーレ・ブル(1810-1880)はパガニーニやリストとも親交があったヴァイオリンのヴィルティオーゾとしても知られ、当時の名声も作曲家としてよりはヴァオリニストとして確立された由。残された曲はそう多くはないが、ここに収められている元は歌曲の「羊飼いの少女たちの日曜日」はよく演奏されるようだ。ヴァイオリン協奏曲ホ短調は同じNAXOSに全曲盤があり、手元にあるのでまた聴いてみよう。
オーレ・ブル「羊飼いの少女の日曜日」オリジナル歌曲の歌詞を知らないが、このYouTubeに添えられた絵を見ていると、ノルウェイの片田舎の村から出ることなく日々の労働と食事とわずかな休息だけを繰り返していたであろう少女に思い巡らし、胸が苦しくなる。
この盤にも入っているよく知られたグリーグ「君を愛す」。チェロで弾くと一層深く美しい。
スヴェンセン:ロマンスト長調
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